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忍び寄る高額詐欺の手口…「しっかり者の親」ほど陥る孤立の罠
「まさか自分の親が騙されるはずがない」「うちの親はしっかりしているから大丈夫」という過信こそが、悪質な特殊詐欺における最大の死角となります。また元教師や公務員、会社で役職に就いていたような「真面目で責任感が強い高齢者」ほど、騙された際に自責の念に駆られ、子どもや周囲に相談できずに抱え込んでしまうことも。
警察庁の「特殊詐欺の認知・検挙状況等について(令和8年1月〜6月)」によると、特殊詐欺全体の認知件数は2万2,031件、被害額は約1,816.2億円に上ります。なかでも、息子を装うなど本事例のような「オレオレ詐欺」の認知件数は1,898件(被害額約68.9億円)に達しています。オレオレ詐欺の被害者に占める65歳以上の高齢者の割合は95.0%、そのうち女性が75.2%を占めているのが特徴です。さらに、警察官などをかたる「ニセ警察詐欺」も認知件数4,466件、被害額約507.9億円と猛威を振るっています。
公的機関がSNSやビデオ通話を介して個人に連絡を取ったり、指定の口座に口座送金や現金手渡しを要求することは絶対にありません。しかし、身内のトラブルや公的機関からの連絡を強調されると、冷静な判断ができなくなってしまうのが人間心理の恐ろしさです。
家庭内での具体的な防犯対策としては、犯人からの直接の通話を避けるための自動通話録音機や留守番電話の設定が有効です。そして最も重要なのは、日頃から家族間でこまめに連絡を取り合うこと。「お金やトラブルの話が出たら一度電話を切り、必ず元の家族の番号にかけ直して相談する」という防犯ルールを徹底し、高齢者を決して孤立させないことです。
「『元気?』『問題ないよ』なんて会話では、親の変化には気づけないものですね。『しっかりしているから』と任せきりにするのではなく、これからはもっと親の気持ちに寄り添って、頻繁に関わっていこうと思っています」