年金支給日を1週間前に控え、財布の残金はわずか121円――。物価高や光熱費の高騰が長引くなか、年金だけで暮らす高齢者が直面する現実は過酷さを増しています。ある71歳女性の極限ともいえる生活を通して、高齢者世帯が抱える切実な現実に迫ります。
「もう、121円しかない…」年金月11万円・71歳女性、年金支給日まで〈あと7日〉、驚愕のサバイバル生活 ※写真はイメージです/PIXTA

どんなに生活が苦しくても、貯金はもう使いたくない…

周囲が驚くほど、質素倹約を貫く佐藤さんですが、それでも月11万円(手取りにすると、月10万円台)の年金生活が苦しいことに変わりはありません。

 

「年金の支給日前は、財布に小銭だけ、ということはよくあることです。しかし、支給日まで1週間あるのに121円しかないときは落ち込みました」

 

その日は近所のスーパーを何軒か回りました。見切り品などを探しても、121円で買えるものは限られています。
「何を買うかではなく、何なら買えるかを探すんです」

 

そう言って佐藤さんは苦笑します。100万円を切っているという預貯金はできるだけ手を付けないようにしています。

 

「これから先、何があるかわかりませんから。急に入院するかもしれないし、家電が壊れるかもしれない。今使ってしまったら、そのとき本当に困ります」

 

内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、今後の生活で不安な点に「物価の上昇」を挙げた人は74.5%にのぼります。さらに、今後「水道光熱費」を節約したい人は60.5%に達し、佐藤さんのように光熱費をギリギリまで削る切実な気持ちの背景がうかがえます。また、日常生活で「預貯金を取り崩すことがある」人は61.2%を占め、自分の貯蓄額を「足りない」と感じている人は57.1%と過半数を超えています。「これ以上貯蓄を減らしたくない」という切実な思いが、過酷な節約へと向かわせている様子が浮き彫りになっています。

 

「冷蔵庫のコンセントを抜く生活にも慣れました」

 

そう話す佐藤さんですが、それは余裕があるからではありません。少しでも年金支給日までの生活をつなぐために選んだ結果です。年金支給日まで1週間で残り121円――。このときは、「もやし1袋9円」「納豆3パック29円」など、スーパーのその日その日の“目玉品”で食いつなぎ、何とか乗り切ったそうです。

 

物価高と電気代の上昇が続くなか、「節約で乗り切る」という言葉だけでは語り尽くせない現実が広がっています。