※写真はイメージです/PIXTA
高い電気代…節約のための仰天行動
「財布の中を見たら、本当に121円しか残っていませんでした」
東京近郊の築45年の賃貸アパートで一人暮らしをする佐藤和子さん(71歳・仮名)。現在の収入は老齢基礎年金と厚生年金を合わせて月約11万円。そのうち家賃に4万6,000円。電気・ガス・水道代は季節によって変動しますが、夏は電気代だけで9,000円近くになることもあります。食費、通信費、医療費……合わせると年金がすべて消えます。
貯金は2年前、白内障の手術と給湯器の交換で大きく減少。現在の預金残高は100万円を切っているといいます。
「エアコンはやっぱり電気をくう。旧型だからなおさら。だからといって買い替えることはできない」
夏場のエアコンの設定は、上限の30度。夜、寝ているときに熱中症にならないためのギリギリのラインだといいます。そして日中はできるだけ外出し、クーラーを使わない生活を心がけているとか。
「公民館や図書館、役所とか……公共機関に行くことが多いですね。冷房も効いているし、同じように過ごしている知人も、結構、いますね」
水筒を持参するそうですが、無料の冷水が飲めるのもポイントとのこと。ほかにも大型のショッピングセンターで過ごすことが多いといいます。
「ベンチがたくさん置かれているので、気分で座る場所を変えられるのがいいですね。いつも同じだと飽きてしまうので」
もうひとつ、驚きの節約術が冷蔵庫。最近はコンセントを抜いてしまっているといいます。
「24時間稼働だから、電気の使用量が多いんですよね。だから思い切って、コンセントを抜いてみたんです」
もちろん、冷蔵庫・冷凍庫は、その機能を失っています。食品を保存できないため、買ってきたものはその日のうちに調理していただく――そんな生活スタイルになったそうです。結果、無駄なものを買うことがなくなり、そういった点でも節約になっているといいます。
厚生労働省『2025(令和7)年 国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯の52.1%が「大変苦しい」「やや苦しい」と生活の苦しさを訴えています。また、同世帯の9.9%は「貯蓄がない」と回答しており、佐藤さんのように貯蓄「100万円未満」の世帯を合算すると16.5%に達します。
同調査では、高齢者世帯の41.3%が「貯蓄が減った」としており、その最も多い理由は「日常の生活費への支出(80.8%)」です。年金のみに頼り、エアコンや冷蔵庫の使用まで控えてしのぐ佐藤さんの極限の暮らしは、貯蓄を生活費に回さざるを得ない多くの高齢単独世帯が直面している過酷な現実を統計的にも映し出しています。