国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、分譲戸建住宅を取得した世帯が住宅選択で妥協した点として最も多かったのは「価格・家賃(41.7%)」。次いで「住宅の広さ(25.9%)」「間取り・部屋数(19.8%)」が挙がり、理想の住まいを諦めざるを得ない家庭が少なくありません。こうした背景から「子どものために」と郊外の戸建てを選んだものの、数年後後悔するケースも……。世帯年収1,100万円・30代夫婦の事例を紹介します。
「郊外の4LDK庭付き一軒家」を購入した世帯年収1,100万円・30代夫婦の誤算。5年後、「都心のタワマンにしておけば…」と頭を抱えたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

住宅価格高騰で「マイホーム計画」を再考する世帯の実態

都市部の不動産価格高騰を前に、当初の購入計画の変更を余儀なくされる世帯は少なくありません。

 

住宅金融支援機構が発表した「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」によると、物価高や住宅価格の高騰を受けて「住宅取得計画に変化があった」と回答した人は63.1%にのぼります。

 

具体的な変更内容をみると、住宅ローン等の「予算を増やした(22.0%)」が最も多いものの、次いで「立地(エリア)を見直した(17.7%)」や「建物の広さ・階数・築年数を見直した(14.7%)」など、エリアや物件のスペックを見直すことで価格高騰に対応しているケースが多くみられます。

 

都内のIT企業で働くショウタさん(仮名・37歳)と妻のアヤミさん(仮名・35歳)夫婦も、不動産価格高騰により立地と広さの見直しを余儀なくされました。

「子育てには広い家が一番」都心のタワマンを諦め、郊外の戸建てを購入した〈世帯年収1,100万円〉30代夫婦

5年前、長男が3歳、次男が生まれたばかりというタイミングで、マイホームの購入を検討し始めました。

 

当時、二人の世帯年収は約1,100万円。そのため、当初夫婦は駅直結で高い資産価値が期待できる都心のタワーマンションを狙っていました。しかし、価格は1億円近くに達しており、毎月の管理費や修繕積立金も含めると家計への負担が重すぎると判断。

 

「これからの教育費を考えると、無理はしたくありませんでした」

 

そこで二人が選んだのが、価格6,200万円の郊外の一戸建てでした。4LDKで2台分の駐車場と庭があり、大きな公園や小学校も徒歩圏内です。

 

「子どもが家のなかで走り回っても下の階を気にしなくていいし、絶対にこっちのほうが子育てに向いている」と、堅実な選択をしたつもりでした。