金融経済教育推進機構の『家計の金融行動に関する世論調査(2025年)』によると、共働き世帯の金融資産保有額は平均1,940万円ですが、より実態に近い中央値は720万円にとどまります。将来を見据えて「夫婦2馬力」で計画的に貯蓄をしているつもりでも、“思いもよらない理由”でコツコツ貯めてきたはずの口座からお金が消えている可能性も……。世帯年収900万円・40代共働き夫婦の事例を見ていきましょう。
1,800万円あるはずが…娘のために「夫婦の共同口座」へ〈月15万円〉貯め続けた41歳妻がATMで絶句。夫を問い詰め、判明した「消えた教育費」の行方 (※写真はイメージです/PIXTA)

1,800万円あるはずが…ATMで発覚した「消えた500万円」と不自然な履歴

想定では1,800万円あるはずの残高が、1,300万円ほどしかありません。それだけでなく、不自然な「引き出し履歴」も発見。帰宅後、サオリさんはすぐに夫に問い詰めました。

 

「ねえ、どうなってるの? 500万円足りないんだけど」

 

トモヤさんはしばらく無言を貫いていましたが、やがて視線をそらしながら白状しました。数年前から、トモヤさんはこの口座から定期的に引き出しをしていたのです。用途は「株の投資のマイナスの穴埋め」でした。

 

「株で大きな損失を出してしまって……。俺の貯金だけじゃどうにもならず、少し借りるつもりで引き出したんだ」

「なんで引き出す前に相談してくれなかったの?」

 

サオリさんの問いに対し、トモヤさんは「冬のボーナスが出たらいずれ戻せばいいと思っていた」と答えました。しかし、その「いずれ戻す」は具体的な計画を伴うものではありません。

共同口座の“なんとなく運用”はトラブルの元

あとから冷静に話を聞くと、トモヤさんは教育費をはじめとした今後の支出増に備え、給与以外の収入を増やそうと、株式投資を始めたとのこと。しかし、相場急変の煽りを受け、元本割れを起こしてしまったようです。

 

近年、金融経済教育推進機構の調査でも、「元本割れを起こす可能性がある金融商品」を積極的に、あるいは一部保有しようと考えている二人以上世帯は53.9%にのぼることがわかっています。資産形成のために投資に踏み出す人が増えている一方で、損失に焦った結果、家族のお金に手を出してしまうケースもみられます。

 

最終的に2人は、家計のルールを根本から見直すことにしました。共同口座は「原則引き出し禁止」とし、どうしても使う場合は必ず事前に夫婦で合意すること。また、毎月の収支をお互いに共有し、それぞれの口座にいくら残っているのかを可視化することを約束しました。

 

共働き世帯における家計管理は、お互いの信頼の上に成り立っています。共同口座を活用する際こそ、“なんとなく”の運用を避け、定期的な残高確認と厳格なルールの徹底が不可欠だといえます。

 

[参考資料]

・金融経済教育推進機構『家計の金融行動に関する世論調査 2025年』

・文部科学省『令和5年度 子供の学習費調査結果』

 

【注目のセミナー情報】​​​

【国内不動産投資】8月8日(土)オンライン開催
《短期償却×安定運用》
実質利回り15%前後も狙える「トランクルーム投資」

 

【事業投資】8月13日(木)オンライン開催
未経験・1人運営でも目指せる!
『買取大吉』の高収益モデルの全貌