(※写真はイメージです/PIXTA)
2馬力でも貯まらない…共働き夫婦の「貯金額」の実態
「夫婦ともに正社員で働いていて、一定の収入があるのだから安泰だろう」
共働き夫婦が増えたいま、そう考える人も少なくありません。しかし、実際のデータを見ると、決してそんなゆとりのある家庭はそう多くないことがわかります。
金融経済教育推進機構の『家計の金融行動に関する世論調査(2025年)』によると、二人以上世帯の金融資産保有額は平均で1,940万円にのぼります。しかし、より実態に近い「中央値」を見ると720万円にとどまっています。これは、一部の富裕層が平均を引き上げているためです。
共働きで収入を確保していても、子どもがいる場合、教育費の増加によって家計が圧迫されやすいのが現実です。
娘のために月15万円…10年間コツコツ続けた「共同口座」への積立
会社員のサオリさん(仮名・41歳)と夫のトモヤさん(仮名・43歳)は、結婚11年目。同じ職場で出会った2人は結婚後も共働きを続けており、世帯年収は約900万円あります。
子どもが生まれたことをきっかけに、約10年前から将来の教育費と老後資金に備えて「共同口座」を作り、毎月それぞれ7万5,000円ずつ、合計15万円を積み立ててきました。現在、小学4年生です。
夫婦で月15万円を10年間積み立てていれば、計算上は1,800万円です。サオリさんは、「1,800万円あれば大きな支出にも十分備えられるはず」と安心していました。
しかし、ある日、その前提が崩れます。中学受験を視野に娘を進学塾に通わせることになり、これを機に夫婦は教育費の計画を改めて見直すことに。
文部科学省の『令和5年度 子供の学習費調査結果』によると、世帯年収「800万円~999万円」の層は、公立小学校に通う子どもの「学校外活動費」が年間平均37.5万円となっています。また、同調査によれば、幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額は、すべて公立に通った場合で約614万円、すべて私立に通学した場合は約1,969万円にのぼることがわかっています。
学年が上がり受験が本格化すれば、さらにまとまった金額が必要になるだけでなく、受験に合格すれば娘は私立に進むため、教育費の準備は必至です。
サオリさんは久しぶりに、共同口座の残高を確認しにATMへ向かいました。記帳された通帳を見た瞬間、思わず声が出ました。
「……え? なんでこんなに少ないの?」
