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家族との思い出と住み続けることは別に考える
和夫さん夫婦は、不動産会社に査定を依頼しました。査定額は3,480万円。住宅ローン残高はゼロです。 売却後、仲介手数料などを差し引いても約3,300万円が手元に残る計算でした。
「意外と高く売れるんだなと。この査定が売却の後押しになりました」
住み替えへと動き出した佐藤さん夫婦。最終的に選んだのは駅徒歩5分の中古マンション。2LDK、58平米、購入価格2,280万円。エレベーター付きで、浴室やトイレには手すりが設置されていました。差額の約1,000万円は、今後の修繕費も見据えて貯蓄してあるといいます。
住み替え後の毎月の住居費は、管理費と修繕積立金を合わせて2万8,000円。固定資産税は年間8万円程度になる見込みです。戸建て時代と比べると、月あたりの負担はほぼ同水準です。
引っ越しの日、和夫さんは空になった家の中を見て回ります。
「家族4人が過ごした場所です。思い出がありすぎて、ずっと自分たちの手元に置いておきたい気持ちもある。でも、その思い出と、住み続けることは別々に考えないといけませんね」
新居での生活は快適そのもの。以前の住まいよりも、生活利便性・交通利便性は比べ物にならないほど向上したといいます。
内閣府『高齢社会に関する意識調査(高齢期の住み替えについて)』によると、住み替えの意向を持つ人の割合は年代が上がるにつれて減退する傾向にあります。一方で、住み替えを意識する理由は「健康・体力面で不安を感じるようになったから」(24.8%)や「自身の住宅が住みづらいと感じるようになったから」(18.9%)が上位を占めます。体力や気力が低下してからでは引っ越しのハードルが高くなるため、元気なうちに「買い物が便利」で「交通の便が良い」環境へシフトしておくことは、安心な老後のための有効な選択肢といえます。
「70代になってからだと、踏ん切りがつかなかったと思う。体力の面でも、気持ちの面でも。いいタイミングで家を売ったと思っています」