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「最高の決断」だった27年前の春
「子どものためには、やっぱり緑が多くて広い家がいいよね」
27年前の春、30代半ばだったKさんと妻は、住宅展示場のモデルハウスで胸を躍らせていました。当時、長男は小学校入学を控え、下の子も生まれたばかり。職場に近い都内の賃貸マンションで暮らしていましたが、子どもが走る足音にビクビクし、泣き声が聞こえるたびに隣近所へ気を揉む日々を送っていました。職場まで電車で数駅。理屈ではとても便利な場所で暮らしているはずなのに、家に帰ると近所からの目線が怖かったのです。
「職場から遠くなったとしても、子どもは子どもらしく家の中で騒いで遊べる環境がいいね」
Kさん夫婦はどちらも地方の出身です。大きな戸建ての実家の広い庭で遊んで育った2人。住宅展示場の営業マンはこんなことを夫婦にいいました。
「ご自身が育った住環境とかけ離れるほど、マイホームへの不満は強まりますよ」
つまり、広い家で育ったなら、マイホームも広くないと必ず不満が出るということです。たしかに、プライバシーがまったくないほど狭いいまの賃貸マンションは、2人にとって息苦しくて仕方ありません。
「実家は古かったけれど延床面積が60坪で、4人家族で暮らしていたな。動線もゆったりしていて、朝の時間も家の中で渋滞しなかった」
夫Kさんは実家を思い出しました。住宅営業マンからは、ある郊外のニュータウンの土地を紹介されます。当時、分譲が始まったばかりで、土地が手に入りやすかったのです。職場からは片道1時間45分。通勤は始発に乗らなければ間に合いません。
しかし、65坪の敷地で、日当たりがいい角地、整った四角い土地でした。そこに建てるのは延床面積45坪、4LDKの大きな自由設計の建物です。
「少し通勤は大変になるけれど、子どもの笑顔には代えられない」
そう考えてすぐに契約しました。7ヵ月後に引き渡されたときの感動は忘れません。子どもを家の前に立たせ、写真を撮りました。子どもが大人になったとき、「親父が建てた新築の家はこんなだった」と見せられるように、思いを込めて。
分譲された土地は次々に埋まり、どの家も30代の世帯ばかりでした。同世代が集まり、子どもも多く、活気にあふれたニュータウン。「この家を買ってよかった」毎日そう考えるほど、満足のいく、人生最大の買い物となりました。