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葬儀だけで約100万円…家族の「死後」にかかる費用
これは、後藤夫婦に限った話ではありません。闘病中は医療費や生活費のことばかりに意識が向き、“その先”に必要になる出費まで考える余裕がないことはよくあります。むしろ、治療費の負担が軽減されている家庭ほど、「お金の心配はひとまず乗り越えた」という安心感から、その先の備えが手薄になりやすい側面もあるかもしれません。
逝去後に必要になるのは、葬儀費用だけではありません。特にお墓や仏壇のように、これまで用意していなかったものを新たに整える場合には、葬儀とは別にまとまった支出が必要になります。こうした費用は、地域の慣習や家族の考え方によって大きく幅があるのが実情です。
具体的な相場をみてみましょう。株式会社鎌倉新書による「仏壇 購入実態調査2026」をみると、葬儀費用の全国平均は96.73万円で、内訳は葬儀一式の基本料金が70.02万円、飲食費が11.67万円、返礼品費が13.03万円となっています。また、新たにお墓を建てる場合、一般墓の平均購入価格は152.0万円で、内訳は墓石代が101.7万円、土地利用料が46.5万円です。仏壇の全国平均購入価格は33.6万円で、近年は住宅事情に合わせて小型の仏壇を選ぶ人が増えているようです。
これらを単純に合計すると、葬儀・お墓・仏壇だけで約300万円になります。もちろん、樹木葬や納骨堂など費用を抑えられる選択肢もあるほか、すでに墓を持っている家庭であれば墓所・墓石費用は不要です。しかし、崇さんのように新たに準備する必要がある場合には、決して小さくない金額です。
「治療費」だけでなく“その先”への備えも
本人や家族が大きな病気に直面したとき、私たちはどうしても「治療費をどう賄うか」という点に意識が集中しがちです。
今回、崇さんが活用した治験のほか、高額療養費制度など、治療費の負担を軽減する仕組みはいくつかあります。こうした制度を積極的に利用することで、治療中の経済的な不安を和らげることができます。しかし、それだけで安心してしまうと、“その先”に必要となる費用への備えが手薄になってしまいます。
身近な人が病気にかかった際には、治療費だけでなく、万が一の場合に必要となる葬儀・お墓・仏壇といった費用まで視野に入れ、医療保険や貯蓄の状況を確認し、資金計画を立てておきましょう。この際、加入している「生命保険」の受取金額が、“その後の費用”も含めて十分な水準になっているかを確認しておくと安心です。
元気なうちに、こうした費用の目安を一度把握しておくだけでも、いざというときの負担感は大きく変わってくるはずです。
〈参考〉
■厚生労働省「1.「治験」とは」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu1.html
■厚生労働省「6.治験に参加いただく患者さんのために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu6.html
いい葬儀「【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年) 喪主の6割超が「事前準備なし」で直面する負担。葬儀後の“おくやみ手続き”支援に高まる期待」
https://www.e-sogi.com/guide/60603/
いいお墓「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向」
https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2026/
藤原 洋子
FP dream
代表FP
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