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65歳以上も2人に1人は働くが、仕事内容は激変
佐藤さんのようなケースは、決して珍しいものではありません。
内閣府『令和8年版高齢社会白書』によると、65歳以上の就業者数は22年連続で前年を上回り、令和7年には65〜69歳の就業率が54.5%となりました。65歳を過ぎても2人に1人以上が働く時代です。
一方で、注目すべきは「どのような雇用形態で働いているか」という点です。役員を除く雇用者のうち非正規雇用の割合を見ると、男性は55〜59歳では10.5%ですが、60〜64歳で39.8%へ急増し、65〜69歳では64.9%に達しています。つまり、65歳を過ぎて働く男性の多くは、正社員ではなく契約社員や嘱託社員、パートなどの非正規雇用というのが現実です。
再雇用制度は広く普及していますが、多くの場合は正社員として働き続ける制度ではありません。勤務先は同じでも、給与や賞与、役職、仕事内容が大きく変わるケースは少なくありません。
さらに白書では、日本の高齢者が働き続けたい理由について国際比較も紹介しています。
「収入を伴う仕事をしたい」と回答した割合は、日本が39.0%でアメリカやドイツ、スウェーデンを上回りました。その理由として最も多かったのは「収入がほしいから」(48.2%)です。一方、スウェーデンでは「知識や能力を生かせるから」が最も多く、仕事への価値観にも違いが見られます。
働き続ける高齢者が増えていること自体は前向きな変化です。しかし、その背景には「生活のために働き続けざるを得ない」という事情も少なくありません。
「再雇用があるから安心」と考えるだけでは、定年後に想定とのギャップが生まれる可能性があります。給与水準や契約内容を事前に確認するとともに、現役時代から資産形成やスキルの維持、会社以外でも働ける選択肢を準備しておくことが、定年後の働き方を左右する重要な要素になりそうです。