3年以内離職率30%強…若者が「早期離職」を選ぶワケ
採用コストや時間をかけたにもかかわらず、入ったばかりの人が短期間で辞めてしまった。そのような経験はないでしょうか?
厚生労働省が毎年公表している大卒者の早期離職状況によると、2021年3月に卒業した新規学卒就職者の3年以内離職率は約35%でした。2010年3月卒以降はおおむね30%強で推移しています。決して少なくない若者が早期離職していることがわかります。
組織によっては、最近の若者は転職することが当たり前で、就職するときから、その組織に長期間勤務するつもりがない人たちが多いと主張する人もいるでしょう。それは、果たしてそのとおりでしょうか?
“成長できる職場”なら、ずっと勤務し続けたい
リクルートマネジメントソリューションズが毎年実施している新入社員に関する意識調査によると、次のような結果が出ています。
〈仕事をするうえで重視すること〉
第1位:自分が成長できる(約32%)
第2位:人や社会の役に立つ・感謝される(約23%)
第3位:専門性を高める・第一人者になる(約20%)
〈上司に期待すること〉
第1位:相手の意見や考え方に耳を傾けること(約50%)
第2位:一人ひとりに対して丁寧に指導すること(約46%)
第3位:良いこと、良い仕事をほめること(約34%)
最近の新入社員研修や若手社員研修の現場を見るなかで、わかったことがあります。それは、多くの若者は「自分が成長できる職場であれば、ずっと勤務し続けたい」と思うことです。
また、専門性を高めたい方も多いです。その理由は、現在の新入社員や若手社員が育った環境にあります。彼らは、バブル崩壊以降長らく続く、会社への過度な期待が持てない社会で育ちました。国内外を問わず、安泰だと思われていた大企業が次々と倒産してきた環境のなかで生まれ、大人になっています。
そのため、自分の成長を大切にし、「会社が一生守ってくれるわけではない」という現実を冷静に捉えて、いざというときのために専門性を高めておきたいと考えている人が多い傾向があります。その結果、自分の成長が現在の職場で実現できないと考えたときに転職する方が多いです。