(※写真はイメージです/PIXTA)
見落としがちなインフラコスト…電気代や水道代に驚愕
住居費や食費は意識しやすい支出です。しかし、私たちが無意識に引き落としで支払っているインフラコストにも、地域差が潜んでいます。
まずは電気代です。2026年5月の「電気代(402kWh)」のデータを確認します。東京区部は14,533円でした。これでも十分な負担ですが、札幌市はなんと17,446円に上ります。東京と札幌で、月に約3,000円もの差が開いているのです。
北海道は冬場の暖房需要が高いイメージがあります。しかし、このデータは5月時点のものです。電力会社ごとの基本料金設定や、燃料費調整額の違いが、そのまま家計へのダメージとなって表れているといえます。
さらに驚くべきは「水道料(1ヵ月・20立方メートル)」です。東京区部は1,529円と非常に安価に抑えられています。人口が密集しており、インフラの維持効率が良いからでしょう。一方で、青森市の水道料は2,728円です。札幌市に至っては3,652円と、東京の2倍以上のコストがかかっています。地方は家賃が安い反面、こうしたインフラ料金の負担が重くのしかかるという「隠れた落とし穴」があるのです。
持ち家なら安心!? 住宅設備の修繕費にも潜む罠
「賃貸は家賃が上がるから、持ち家の方が安心」と考える人もいるでしょう。確かに家賃の支払いはなくなります。しかし、定期的なメンテナンス費用からは逃れられません。そして、この修繕費用にも明確な地域差が存在します。
2026年5月の「システムキッチン(1式)」の価格データを見てみましょう。東京区部では760,307円です。大阪市も760,760円と、都市部では同水準となっています。しかし、茨城県水戸市では1,164,900円、福岡県北九州市では1,131,900円と、100万円を大きく超える地域が散見されます。
給湯器の交換費用も同様です。東京区部の「給湯器(1台)」は164,979円です。しかし、福島市のデータを見ると288,829円と、10万円以上の開きがあります。
これらの住宅設備は、10年〜15年に一度は交換や修理が必要になります。地方で一戸建てを構える場合、土地や建物の価格は安くても、将来的なメンテナンス費用が高くつくリスクを考慮しなければなりません。
「生活防衛」と「資産形成」を両立させるために
ここまで見てきたように、日本全国どこに住むかによって、かかる生活費はまったく異なります。
東京は家賃こそ高いものの、水道代などのインフラコストは割安です。公共交通機関が発達しているため、車を持たずに生活することも難しくありません。
対して地方は、家賃の安さが最大のメリットです。しかし、水道光熱費が高めになる傾向があります。さらに、生活に欠かせない車を維持するためには、車両代だけでなくガソリン代がかかります。2026年5月のガソリン価格(1L)は、東京区部で170円、札幌市で169円と、依然として全国的に高止まりしています。
資産形成を成功させるための第一歩。それは、自身の「固定費」と「変動費」を正確に把握すること。「何となく貯金ができない」と嘆く前に、まずは住んでいる地域の物価特性を知る。家賃が高いなら通信費や保険料を見直す。車が必要な地域なら、燃費の良い車に乗り換える。そうした地道な生活防衛策が、投資に回すための資金を生み出します。