住宅価格の高騰が続くなか、憧れのタワーマンションを購入した後に家計の圧迫に悩む世帯が増えています。特に、住宅ローンに加え、管理費や修繕積立金などの負担が年々重くなるケースは少なくありません。都心のタワーマンションで暮らす共働き夫婦の事例を通して、「高所得世帯でも陥る住居費負担の落とし穴」について考えます。
〈世帯年収1,580万円〉都心タワマン暮らしの40代パワーカップル。煌びやかなエントランスを抜けた先に向かう激安スーパー「1円でも安く」のリアル (※写真はイメージです/PIXTA)

タワマン購入後の誤算

タワーマンションは資産価値や利便性の高さから人気を集めています。しかし、その暮らしを維持するために必要な費用は、購入時に想定していた以上に大きくなることがあります。東京都中央区のタワーマンションで暮らす高橋健一さん(42歳・仮名)、美咲さん(40歳・仮名)夫婦も、その現実に直面している一組です。

 

夫は大手IT企業勤務、妻は外資系企業の管理職。世帯年収は約1,580万円。現在住んでいるのは、都心駅直結の築12年のタワーマンション。約65平方メートルの3LDKで、購入価格は8,800万円でした。

 

「当時は低金利でしたし、夫婦で働いているから問題ないと思ったんです」

 

高橋さん夫婦が購入を決めたのは5年ほど前。借入額は約7,900万円。毎月の返済額は管理費などを除いて約23万円。当初、管理費と修繕積立金の合計は月額3万4,000円ほどでした。

 

しかし入居後、状況は変化します。築年数の経過に伴い修繕計画が見直され、修繕積立金は段階的に増額されました。現在は管理費と修繕積立金を合わせて月額6万2,000円。駐車場代を含めると毎月の住居関連支出は約37万円に達しています。

 

「ローン返済額ばかり見ていました。管理費や修繕積立金がここまで増えるとは正直考えていませんでした」

 

夫婦の手取り収入は月によって変動しますが、おおむね90万円程度。一見すると余裕がありそうに見えます。その一方で、教育費も重なります。小学6年生と小学3年生の子どもは私立小学校に通っています。

 

「子どもが通っている小学校には、サラリーマンの家庭の子も結構います。学校行事が平日に多くあって、フレックスや半休を駆使して参加しています。緊急時は両親が出動することもありますね」

 

文部科学省『令和5年度 子供の学習費調査』によると、私立小学校の学習費総額は平均年174万円。子ども2人なら年間約348万円の出費となります。仮に高校まで私立に通えば12年間で1人約1,865万円に達し、大学まで私立ならさらに数百万円規模の学費が上乗せとなります。

 

毎月37万円のタワマン維持費と、右肩上がりに膨らむ莫大な教育費。この「ダブルパンチ」は、世帯年収1,580万円という高収入家計であっても、その余裕を確実に奪っていくのが現実です。