(※写真はイメージです/PIXTA)
LINE一通に込められたメッセージ
そんな息苦しい定年生活が始まって数ヵ月が経ったある朝、限界を迎えたユウジさんは、ミサトさんに「ちょっと散歩に出てくる」とだけ言い残し、小さなリュックを背負って家を出ました。
お昼を過ぎても戻らない夫をミサトさんが不審に思ったころ、ユウジさんから一通のLINEが届きました。
「ごめん、ぶっちゃけ俺が耐えられんかった」
驚いたミサトさんが「どういうこと?」「どこにいるの?」とメッセージを連投し、何度も電話をかけました。
しかし、コール音は一切鳴らず、メッセージに既読がつくこともありません。ユウジさんはそのLINEを送信した直後、ミサトさんのアカウントと電話番号をブロックしてしまったのです。
ユウジさんはそのままビジネスホテルを転々とし、ミサトさんの手が届かない場所へ消え去りました。明確な浮気や借金といった理由ではありません。ただただ、「妻と二人きりでいる生活」に対する、限界を超えた拒絶の末の強行突破でした。
のちに、子どもを介してユウジさんの家で直後のお互いの様子や近況を知るところとなり、最終的に二人は合意のうえ、離婚に至りました。
ユウジさんは「俺が変なんだろうか。長年連れ添った妻をこんなに嫌になってしまうなんて」と自問自答しています。
二人きりの老後。理想は「最期まで連れ添って穏やかに」でしょう。しかし現実には、「無理なく暮らせる距離」が重要なのかもしれません。
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