内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査」によると、高齢者が今後優先的にお金を使いたいものとして「子や孫のための支出(学費、こづかい等)」を挙げる人は25.8%に上り、実際に子や孫の生活費を「負担している」人も約4人に1人(25.2%)存在しています。多くのシニアにとって、可愛い孫や子どものために財布の紐を緩めることは、老後の大きな喜びの一つです。しかし、その援助は、子ども家族との良好な関係性を土台に成り立つものであることを忘れてはなりません。※紹介する事例の人物名はすべて仮名です。
さんざん援助してやったのに…「35歳息子の罪」を代わりに背負わされた年金25万円の60代夫婦。盆暮れ・誕生会にいつも来てくれた嫁はLINEすら未読無視、4歳孫も一切顔を出さなくなったワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

父の老人ホーム費用

「あんなによくしてあげたのに、どうして私たちはここまで拒絶されなきゃいけないの……」

 

地方都市の静かな住宅街。トシユキさん(68歳)と妻のヨシコさん(66歳)は、誰も来なくなった家で、ため息を吐いています。二人の収入は、厚生年金と国民年金を合わせて月額25万円。贅沢をしなければ、老後を平穏に送るには十分な額面です。しかし現在、老夫婦の心は限界を迎えています。

 

かつては東京で暮らす息子夫婦と、4歳になる初孫が定期的に元気な顔をみせてくれていました。特に、都内でバリバリ働く共働きの妻・リコさん(35歳)は、義実家への気配りを忘れない自慢のお嫁さんだったのです。

 

それがいまや、リコさんへのLINEは未読のまま放置され、孫の顔をみることも叶わない断絶状態。老夫婦は「さんざん尽くしてきたのに」という割り切れない思いで、寂しい日々を過ごしていました。

良好だった関係と、老夫婦が重ねてきた「多額の援助」

ほんの半年前まで、リコさんとの関係は良好にみえました。お盆や年末年始といった「盆暮れ」の帰省時には、いつも「お父さん、お母さん、これテレビでも紹介された人気のお菓子なんです」と、お土産を持ってきてくれました。トシユキさんやヨシコさんの誕生会には、遠方にいながらもお洒落で綺麗なフラワーアレンジメントを必ず手配してくれたリコさん。電話をかければ孫に代わってくれて、「じいじ、ばあば!」とはしゃぐ孫の声が、老夫婦にとってなによりの生き甲斐でした。

 

だからこそ、老夫婦も息子夫婦のためならと、財布の紐を惜しみなく緩めてきました。住宅購入時の頭金として400万円、孫の誕生の際には8万円のベビーカーも贈り、帰省のたびに1万円のお小遣いをポチ袋に入れて渡してきたのです。「共働きで東京で子育てするのは大変だろうから」と、現役時代の蓄えを取り崩しながら、できる限りの援助をしてきたつもりでした。

 

それなのに、現在のリコさんはヨシコさんが送るLINEに「既読」すらつけず、完全に無視。電話をかけても出ません。可愛い4歳の孫の顔をみることもできなくなってしまったのです。