(※写真はイメージです/PIXTA)
父の老人ホーム費用
「あんなによくしてあげたのに、どうして私たちはここまで拒絶されなきゃいけないの……」
地方都市の静かな住宅街。トシユキさん(68歳)と妻のヨシコさん(66歳)は、誰も来なくなった家で、ため息を吐いています。二人の収入は、厚生年金と国民年金を合わせて月額25万円。贅沢をしなければ、老後を平穏に送るには十分な額面です。しかし現在、老夫婦の心は限界を迎えています。
かつては東京で暮らす息子夫婦と、4歳になる初孫が定期的に元気な顔をみせてくれていました。特に、都内でバリバリ働く共働きの妻・リコさん(35歳)は、義実家への気配りを忘れない自慢のお嫁さんだったのです。
それがいまや、リコさんへのLINEは未読のまま放置され、孫の顔をみることも叶わない断絶状態。老夫婦は「さんざん尽くしてきたのに」という割り切れない思いで、寂しい日々を過ごしていました。
良好だった関係と、老夫婦が重ねてきた「多額の援助」
ほんの半年前まで、リコさんとの関係は良好にみえました。お盆や年末年始といった「盆暮れ」の帰省時には、いつも「お父さん、お母さん、これテレビでも紹介された人気のお菓子なんです」と、お土産を持ってきてくれました。トシユキさんやヨシコさんの誕生会には、遠方にいながらもお洒落で綺麗なフラワーアレンジメントを必ず手配してくれたリコさん。電話をかければ孫に代わってくれて、「じいじ、ばあば!」とはしゃぐ孫の声が、老夫婦にとってなによりの生き甲斐でした。
だからこそ、老夫婦も息子夫婦のためならと、財布の紐を惜しみなく緩めてきました。住宅購入時の頭金として400万円、孫の誕生の際には8万円のベビーカーも贈り、帰省のたびに1万円のお小遣いをポチ袋に入れて渡してきたのです。「共働きで東京で子育てするのは大変だろうから」と、現役時代の蓄えを取り崩しながら、できる限りの援助をしてきたつもりでした。
それなのに、現在のリコさんはヨシコさんが送るLINEに「既読」すらつけず、完全に無視。電話をかけても出ません。可愛い4歳の孫の顔をみることもできなくなってしまったのです。