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理想の「終の棲家」のはずが…入居初日からの違和感
老後の資金をすべて投じれば、手厚い介護と余生が約束される。そう信じて疑わなかった高齢者が、約束されたはずの施設をわずか数ヵ月で去るケースがあります。
「高いお金を払うのだから、良いところに違いない、という思い込みがありました」
そう語るのは、佐藤文子さん(80歳・仮名)。佐藤さんは2ヵ月前まで、東京近郊、入居一時金3,000万円、月額利用料約30万円という介護付き有料老人ホームに入居していました。
長年連れ添った夫に先立たれ、自宅での一人暮らしに限界を感じた佐藤さんは、それまでの貯蓄を元手に老人ホームへの入居を決意。「医療連携」「24時間看護師常駐」「一流シェフによる食事」を謳うそのホームは、佐藤さんにとって最適な選択肢に見えました。
「高いと思いました。それでも、生涯の安心・安全が担保されるなら、と思って、入居を決めたんです」
しかし、入居初日から違和感は始まっていたといいます。
「入居してすぐに気付いたのは、入居者の方々の冷ややかな視線でした。挨拶をしても無視され、すでに出来上がっているグループに入っていける雰囲気ではありませんでした」
佐藤さんが目撃した人間関係の実態は、入居から1ヵ月が経ったある日の夕方に決定的なものとなります。いつもは利用者が集まるはずのホームのダイニングですが、その日はなぜか人気がなく、静まり返っていました。不審に思った佐藤さんが奥の配膳室を覗いたとき、目にしたのはまさかの光景でした。
「数人の入居者が、車椅子の女性を囲んでいました。わざと聞こえるような大声で『早くここから出ていけ』と陰湿な言葉を浴びせていたんです」
近くにいた施設職員は、その様子を見ても注意することなく、足早にその場を立ち去ったといいます。後日、佐藤さんはスタッフ間でも特定の職員に対する無視や嫌がらせが行われている現場を目撃します。
「ここは陰湿ないじめがある場所なのだと分かりました。わざわざ高いお金を払って入居したのに、次は自分がターゲットにされて巻き込まれたらたまったもんじゃないと恐怖を感じました」