転職が当たり前の現代。転職経験者の中には、「色々な仕事を経験してきたけれど、仕事に一貫性がなくて将来が不安」「自分には武器と言える専門性がない気がする」と悩む人も……。実は、「職種名」という枠組みに囚われていると、自分のキャリアの本質を見失ってしまいます。本記事では、佐野創太氏の著書『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)より、バラバラに見える経歴の根底にある一貫性を見つけ出し、これまでのキャリアを自信へと変える方法を解説します。
営業、デザイン、ディレクター…「履歴書に一貫性がない」と悩む大転職時代の落とし穴。「たった一つ」発想を転換しただけで、本当の強みに目覚めた理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

仕事に打ち込んでいる人ほど、「暮らしを考えること」を忘れる

「いい生活って何ですか?」

 

かつて、そう聞かれて、うまく答えられませんでした。それは、私自身が「暮らし下手」だからかもしれません。

 

送りたい生活があれば、そのために仕事も頑張れる。働き方を思いきって変えることもできる。でも、どう暮らしたいかがないから、どう働きたいかも思い浮かばない。結果、今の会社にずっといる……。仕事に打ち込んでいる人ほど、暮らしを考えることを忘れます。では、なぜそうなってしまうのでしょうか。理由は、私たちは「生活」ですら仕事のメガネで見てしまうからです。

 

たとえば、家族の時間も、友人との時間も、リラックスタイムも「効率がいいか」「メリットはあるか」と考えてしまう。うまく過ごせたら「よかった」、うまくいかなかったら「無駄だった」。生活も評価や成果、改善という「仕事のルール」で動かそうとしてしまうのです。しかし、生活と仕事では「ルール」がまったく違います。

 

生活では、目標を達成しなくてもいい。評価されなくていい。改善しなくていい。仕事とは、「別のルール」でまわっているのが「生活」です。

 

相談者のIさんは、「家では“何もしないことをする”という時間をつくってみたんです」と教えてくれました。「時間がもったいない」という思いが浮かんできて、最初は違和感があったそうですが、いざ続けてみると、思っていたより居心地がよく、「これもありだな」と感じられたそうです。

 

生活は、「何者か」であることを求められない場所です。仕事では、役職や役割に沿った成果や成長を期待され、何かを生み出すことが求められる。でも、生活は違います。ただいるだけで十分。「いる」だけで、満たされていい。

 

「何もしなくても、できなくても、そこにいていい」なんて、仕事の場面で言われることはありません。だから、「何もしなくても存在していい時間」をぜひ思う存分楽しんでみてください。生活を「仕事のルール」から解放し、「目標も評価もいらない70%の場所」と位置づける。こう決めてしまえば、生活が「慌ただしい場」ではなく、「また仕事頑張ろう」と思える避難所になってくれるはずです。

 

仕事と生活を同じメガネで見て「人生」と捉えることを100%だとしたら、「仕事と生活は別物だよね」と捉え直すことが70%の考え方です。「頑張ってるけど、しんどくなってきた」と思ったら、「今の仕事と生活の考え方を30%緩めてみるか」と思い出してみてください。

 

 

佐野 創太

「退職学(R)」研究家/メルマガ「キャリアの休憩室」編集長

 

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