毎晩残業して成果を上げ、周りからは「順調だね」と評価されている。それなのに、なぜか日々の生活に追われ、自分の将来のことを考えると不安で思考が止まってしまう――。そんな違和感を抱えているなら、それは他人の価値観にあなたの人生を合わせすぎているサインかもしれません。本記事では、佐野創太氏の著書『70%で働く 「もっと頑張る」から脱出する働き方の思考法』(日経BP)より、複数の事例をとおして、「自分にとってちょうどいい働き方」を探るコツを解説します。
会社に尽くして評価も上々な〈大手企業の営業職男性〉の悲哀…「出世競争に負けた」と心の中で見下した同僚が、なぜか自分より幸せそうな理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

充実した人生を送るヒント

たとえば、毎晩残業して頑張っても、同僚や上司にその苦労のすべては見えません。問題が起きなければ、「順調だ」と思われるだけで、実際にあなたが抱えた迷いや調整の大変さは伝わらないことが多いものです。家族に「仕事が大変だ」と話したとしても、苦労は伝わりづらいです。成果や昇進の喜びは理解してもらえても、緊張やストレスの積み重ねは自分で抱えることになります。

 

つまり、キャリアの全体像を理解できるのは、自分自身だけ。だからキャリアは、「他人からの理解」ではなく、「自分の納得度」で考えることが大切なのです。

 

周りに理解されない働き方を選ぶと、時に孤独を感じたり、不安を覚えたりするかもしれません。しかし、「理解されない」ということは、他人の価値観にとらわれず、自分らしい道を歩んでいる証拠でもあります。あなたが心地よさを感じ、充実しているならば、その感覚を信じ、大切にしていいのです。

 

とはいえ、「自分がどんな人間かわからないのに働き方をガラッと変えるなんてできない」と感じるかもしれません。しかし、答えは動きながら見えてくるので大丈夫です。

 

組織行動論の専門家であるハーミニア・イバーラの著書『ハーバード流キャリア・チェンジ術』には、こう書かれています。

 

自分がどんな人間で、何をしたいのか。この答えが初めから分かっていれば、キャリア・チェンジはずっと簡単になるに違いない。充実した職業人生を送る鍵は「自分を知ること」だとよくいわれる。だが人は常に成長し変わっていくものだから、実際にはその鍵は目的地で手にできる褒美なのだ。

 

─―『ハーバード流キャリア・チェンジ術』P212

 

自分にとっての「ちょうどいい」を追求するとストレスからも解放され、結果的に、高いパフォーマンスを維持することもできます。それは、あなたにとっても会社にとっても、あなたが大切にしたい人にとっても、最高の成果につながる状態です。

 

 

佐野 創太

「退職学(R)」研究家/メルマガ「キャリアの休憩室」編集長

 

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