「他人からの妬みが一番怖いんだ」

逸男さんが資産を築くことができた理由は、若い頃から続けてきた投資でした。勤務先の持株会やストックオプション制度を活用し、自社株を長年保有。さらに、リーマンショックのときにもコツコツと日本株へ投資を続けてきました。

その中には、数十倍に成長した銘柄もあり、現在では配当収入だけでも年間400万円近く。年金と合わせれば、生活費にはまったく困らない水準です。

それでも、逸男さんは自分の資産状況を周囲に話さず、生活も質素です。その理由は明確でした。

「そりゃあ、だって……他人からの妬みが一番怖いんだよ。わかるでしょう?」

逸男さんはそう漏らします。それ以上は言いませんでしたが、過去に、お金の話で嫌な思いをしたことがあるのだといいます。

実際、地元へ戻ってから交流している同級生や近所の友人たちの中には、年金が少なく、生活に不安を抱えている人も少なくありません。退職金がほとんど無かった人、住宅ローンが老後まで残った人、子どもの援助で苦しい人……。そんな中で、自分だけが「資産1億円あります」などと話せば、“あちら側の人”として見られてしまいます。

「そうなれば、急に距離を置かれることもあるだろうし。最悪、お金を貸してほしいって話にもなりかねないでしょう」

お金によって周囲からの見方が変わり、面倒に巻き込まれる――それを逸男さんは恐れていました。だからこそ、あえて質素に暮らし、“普通の年金生活”を送っているのです。

【注目セミナー】6月5日(金)
武者陵司が解く!
「日本株新時代」の全貌