(※写真はイメージです/PIXTA)
「再雇用で働いていれば…」65歳を過ぎて感じた〈恐怖の正体〉
60歳を過ぎての仕事探しは難航し、ようやく見つけたのは近所のスーパーでの品出しや裏方のアルバイトでした。
「最初は週3日くらい働いて、月に7万〜8万円の収入でした。年金の10万円と合わせれば生活できると思っていましたが、考えが甘かったです」
家賃の更新料や急な医療費、家電の買い替えなどの出費が重なると、どうしても毎月数万円の赤字が出てしまい、足りない分は貯金で補填するしかありませんでした。最初の数年は「まだ貯金があるから大丈夫」と自分に言い聞かせていました。しかし、65歳を過ぎたころから、貯金がどんどん減っていく恐怖を覚えるようになったというサトルさん。
「100万円減ったあたりから、急に不安が押し寄せてきました。今ではアルバイトのシフトを週5日に増やして働いていますが、体にもガタが来ています。いつまでこの生活が続けられるかわかりません……」
現役時代には何とも思わなかった「数万円」の重みが、年金生活になってから身に染みてわかったというサトルさん。一生涯、年金が減らされることの重みを理解していなかったのです。
「余計なプライドなんて捨てて、再雇用で65歳まで働いていれば、今ごろは月14万円の年金をもらって、今よりも穏やかに暮らせていたはずでした。働き方と年金のことを、もっと真剣に考えておくべきでした」
繰上げ受給によって一度減額された年金は、途中で取り消すことはできず、一生涯その金額のままです。健康で働けるうちはよくても、年齢を重ねて思うように働けなくなったとき、減額の影響は響いてきます。目先の損得や一時の感情で老後プランを決めてしまったことに、サトルさんは悔いています。