(※写真はイメージです/PIXTA)
「お金持ち」願望はわずか3割。若者が抱く社会への諦念と「身近な幸福」
こども家庭庁が公表した『こども・若者総合調査(令和7年度)』の結果からは、慎二さんのような「極めて現実的な思考」を持つ若者たちの姿がデータとして裏付けられています。
まず、彼らの自己認識について見ていくと、「自分の親から愛されていると思う」と回答した割合は91.3%に達しています。さらに「自分らしさがある(86.3%)」「周りの役に立ちたい(91.3%)」と、自己肯定感や他者貢献への意欲は非常に高い水準にあります。
一方で、自身の未来については「将来は運やチャンスによって決まる」と答えた割合が73.5%にのぼり、努力だけでは抗えない社会への諦念が透けて見えます。
彼らにとっての「居場所」は、地域社会や開かれたコミュニティではなく、徹底して内向きです。「家庭(86.9%)」や「自分の部屋(86.6%)」を居場所と感じる割合が高い一方で、地域社会との繋がりを感じているのは1~2割に過ぎません。インターネット空間での交流は日常化しているものの、本音を話せる相手がいると答えたのは2割未満でした。若者たちは、安心できる私的空間に閉じこもり、希薄な繋がりの中で孤独を回避しているのが現状です。
職場においても、その苦悩は顕著です。悩み事のトップは「仕事上のミス(23.7%)」であり、能力を超える業務量や人間関係の軋轢に多くの若者が疲弊しています。特にキャリア初期の20代前半ではミスへの恐怖心が強く、これが原因で野心を失うケースも少なくありません。
こうした背景を経て、彼らが描く20年後の姿は驚くほど堅実です。
「お金持ちになっている」と答えたのは全体のわずか32.6%。15歳~19歳では4割を超えますが、35歳~39歳の実社会を知る世代になると26.0%まで低下します。「有名になる(10.1%)」や「世界で活躍する(11.7%)」といった壮大な夢を抱く層は極めて少数派です。
代わって圧倒的多数を占めるのは、「親を大切にしている(84.0%)」「幸せになっている(78.9%)」という、極めて身近で平穏な自己像です。出世を望む割合も半数を割り込んでおり、一攫千金やリスクを伴う成功よりも、着実な生活基盤の維持が最優先されています。
彼らが求めているのは、莫大な富ではありません。家族との時間を大切にし、心穏やかに過ごせる「安定」そのものです。資産形成のあり方も、今後はこうした「手堅い守りの姿勢」が中核を担っていくことになりそうです。
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