(※写真はイメージです/PIXTA)
娘の提案で「住み込みリゾートバイト」へ…初日で後悔した過酷な現実
「最近はシニア歓迎のリゾートバイトも人気みたいだよ。温泉旅館の裏方なら、温泉にも入れるし気分転換になるんじゃない?」
ある日、キヨコさんの様子を心配した娘からリゾートバイトの提案をされたのが、働きに出るきっかけでした。
このまま無気力に過ごすよりはマシだと思い、意を決して申し込みました。赴いたのは、家から電車で3時間ほどの場所にある温泉旅館です。3週間限定の住み込みで、主な仕事は客室の清掃や備品の補充などでした。
「正直にいうと、想像以上の体力仕事で初日から後悔しました……。布団の上げ下ろしや掃除機がけなどで腰や膝が悲鳴をあげて……。最初の数日は、部屋に戻るとクタクタで動けませんでした」
しかし、肉体的なきつさを上回る喜びが、そこにはあったのです。
「給与20万円」以上の価値…体はバキバキでも心を取り戻した3週間
朝、出勤した際にかわす同僚との「おはよう」という挨拶。若いスタッフや、同年代のパート仲間と休憩室で交わす何気ない雑談。自分が社会の一部として機能し、誰かに必要とされているという実感が、キヨコさんの心を解きほぐしていきました。
3週間のリゾートバイトでの勤務を終えて、手にした給与は約20万円。持っている資産と比較すると決して大金ではありませんが、キヨコさんにとっては重みが異なるお金でした。
「この20万円を何に使うかはまだ決めていないんです。でも、貯金を取り崩すのとは、なんだか気持ちが全然違って……。本当に、思い切って働きに出てよかったです」
そして何より、仕事終わりに入る旅館の温泉が最高の癒やしでした。体はバキバキになりましたが、キヨコさんにとっては20万円という金額以上の喜びと、心の潤いを取り戻せた3週間となりました。
キヨコさんにとってのリゾートバイトという体験は、単なる労働ではなく、社会とのつながりを取り戻すための「リハビリ」でもあったのです。
[参考資料]
内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)」
内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」