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「配偶者との死別」がシニアに与える孤独感
内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)」によると、強い孤独感を抱えている人が「現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事」として最も多く挙げたのが、「家族との死別(24.6%)」でした。長年連れ添った配偶者を亡くした喪失感に加え、日々の会話相手がいなくなることも、シニアの孤独を深くする一因となるでしょう。
同調査では、同居していない家族や友人たちと直接会って話すことが「全くない」と答えた人は全体の9.3%で、他者とのコミュニケーションが途絶え、社会から孤立している層が一定数いることがデータからわかります。
一方で、内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によれば、「就労・就業(仕事)」をしている高齢者に限ると、実に80.1%もの人が生きがいを「感じている」と回答しています。高齢者が働く理由は「収入のため(55.1%)」が過半数を占めるものの、「自分の知識・能力を生かせるから(12.4%)」や「仕事を通じて友人や仲間を得ることができるから(3.0%)」といった、お金以上の「やりがい」や「社会とのつながり」を求めて労働を選択する人も存在しています。
十分な老後資金や年金があっても、社会から切り離された孤独な生活に耐えきれず、「働くこと」で人生の潤いを取り戻した60代女性の事例を見ていきましょう。
誰とも喋らない1日…〈貯金2,200万円・年金月13.8万円〉でも埋まらない心の穴
「朝起きてから夜寝るまで、誰とも一言も喋らない日が何日も続くんです。このまま誰にも必要とされず、ひとりぼっちで年をとっていくのかなって……それがすごく怖くて」
キヨコさん(仮名・67歳)は、3年前に夫を亡くし、現在は地方都市にある分譲マンションで一人暮らしをしています。専業主婦として長年家庭を支えてきたキヨコさんの老後の備えは、十分にあるといえるでしょう。都内の会社員だった夫が遺してくれた預貯金は約2,200万円。住宅ローンもすでに完済しており、遺族年金と自身の老齢基礎年金を合わせれば、毎月約13万8,000円が手元に入ります。
慎ましく暮らせば、貯金に手をつけず生活できるはずのキヨコさんですが、最近、思い切って「3週間の住み込みリゾートバイト」に挑戦しました。
夫が健在だったころは、何気ない会話を交わして過ごしていました。しかし一人になると、社会との接点が極端に少なくなりました。
近所のスーパーで「レジ袋は結構です」と一言交わすのが、その日唯一の会話という日も珍しくありません。