「備えあれば憂いなし」という言葉を信じ、現役時代は必死に働いてきたはずでした。しかし、人生の終盤で予期せぬ「落とし穴」にはまる人も。潤沢な退職金と平均以上の年金を手にするはずだったある男性が、なぜ65歳にして時給1,380円のアルバイトをはじめ、夜な夜なスーパーの半額弁当を買い求める生活に陥ったのか。その背景についてみていきます。
「絶望しました。7割引きの弁当に歓喜する自分に…」〈退職金2,500万円〉〈年金月20万円〉のはずだった元エリート会社員、時給1,380円のバイトを続ける「熟年離婚」の現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

増加する「熟年離婚」の経済的代償

松下さんのようなケースは、決して他人事ではありません。厚生労働省の「人口動態調査」によると、2024年日本の離婚件数18万5,895組のうち、同居20年以上の夫婦である熟年離婚は20%強。特に60歳以上の「熟年離婚」の割合2000年の3%台から2024年には25.8%にまで上昇しています。

 

熟年離婚増加の背景には、さまざまな要因が重なっています。まず、年金分割制度の整備や女性の社会進出、さらには退職金の財産分与により、離婚後の経済的自立のハードルが下がったことが挙げられます。

 

また、平均寿命が延びたことで、定年後の30年から40年を「我慢して過ごしたくない」と考える人が増えたこと、子どもの独立を機に親の役割を終えたとする価値観の変化も大きな要因です。加えて、配偶者の親の介護を避けるための選択や、再雇用による夫の収入減をきっかけに関係が限界を迎えるケースも少なくありません。

 

特に2004年の制度改正で導入された年金分割は、専業主婦等の老後を保障する重要な仕組みですが、分割される側にとっては生活設計を根本から覆すことも。特に3号分割は夫婦間の合意を必要とせず届出のみで成立するため、通知を見落とし、受給開始時に初めて「月数万円の差」という現実を突きつけられる男性も珍しくないとか。

 

「退職金があるから大丈夫」「年金が多いから安心」という現役時代の自信は、離婚というライフイベントであっという間に崩壊してしまうのです。

 

 

【注目のウェビナー情報】​​​

【短期償却】5月9日(土)オンライン開催

《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法

 

【相続×資産運用】5月13日(水)オンライン開催

《富裕層向け》
後悔しないための「相続対策・資産運用」戦略