※写真はイメージです/PIXTA
公務員でも逃れられない「家計赤字」の実態
「元公務員なら一生安泰」というイメージとは裏腹に、実際には家計に苦慮する元職員は少なくありません。
人事院が公表した『令和5年退職公務員生活状況調査報告書』では、60歳以降の退職公務員の生活実態が明らかにされています。同調査によると、日常生活において「常に赤字である」と回答した世帯は18.2%、「時々赤字になる」は23.3%で、合計41.5%の世帯が家計に赤字を抱えています。さらに、生活のゆとりについて「まったくゆとりがない」と回答した割合は10.6%に達しています。
佐々木さんのケースは、現役時代の高い所得水準に基づいた生活レベルを維持したまま、自由な時間が増えたことで支出が増大した典型例といえます。現役時代の信用があるがゆえに、家族も「父には余裕がある」と思い込み、継続的な援助を求めてしまう構造がありました。
佐々木さんが危機感を抱いたのは、自身の健康不安を感じたときだったといいます。膝の持病が悪化し、将来的な手術やリハビリ、さらには介護施設への入居費用を算出した際、残された預貯金では心許ないと感じたのです。
「すまん、もう勘弁してくれ。これ以上面倒をみていたら、自分の生活が維持できなくなる」
佐々木さんは長女夫婦に対し、継続的な学費支援の中止を願い出ました。それまでいい顔をしていただけに、何とも情けなかったといいます。それでも、恥を忍んで伝えてよかったといいます。
「お金が底をつき、子どもたちに世話になるのも迷惑な話。きちんと自分で人生を終わらせるだけのお金は残しておかないといけません」
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