親孝行や将来の安心を見据えて選択される「二世帯住宅」。しかし、家族の幸せを願って建てたはずの理想の住まいが、予期せぬ事態を引き起こすこともあります。ある夫婦のケースから、二世帯同居の現状について見ていきます。
〈年収800万円〉45歳サラリーマン、〈4,500万円〉で建てた二世帯住宅に酔いしれていたが…残業帰り、静まり返った家に1通の封筒「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

親世代と同居しているのは7世帯に1世帯

国立社会保障・人口問題研究所「第16回全国家庭動向調査」によると、「夫、妻、どちらかの母親と同居」の割合が13.3%、「4人の親のうち誰かと同居」の割合が15.6%となっています。

 

時系列で見ると、「どちらかの母親と同居」の割合は、

2008年:23.8%

2013年:28.5%

2018年:17.6%

2022年:13.3%

 

「4人の親のうち誰かと同居」の割合も、

 

2008年:28.5%

2013年:31.5%

2018年:19.8%

2022年:15.6%

 

といずれも低下傾向にあり、親世代と同居しているのは現在、7世帯に1世帯程度です。

 

プライバシー重視や核家族化の進行といったライフスタイルの変化に加え、介護負担の懸念や同居による精神的ストレスへの不安により、近居(近くに住む)を選んで適度な距離感を保つ傾向が強まっています。一方で、不動産価格の上昇により、親との同居をあえて選択するケースも珍しくありません。二世帯住宅も、有力な選択肢の一つです。

 

その際に注意したいのが、お互いの距離感です。高橋家が選択した「一部共有型」の間取りは、生活音やプライバシー、光熱費負担などでストレスが溜まりやすく、関係悪化の原因になりがちです。コスト削減や適度な助け合いは魅力ですが、掃除の分担やルール決めが厳密でないと後悔を招くため、プライバシーを完全に分けた「完全分離型」のほうがトラブルは少ないとされています。

 

とはいえ、すでに一部共有型の二世帯住宅を建ててしまった高橋さん。真由美さんに戻ってきてもらうために環境を整備しました。

 

「2階への立ち入りを厳格に制限するための内鍵をつけ、『事前連絡なく2階には入らない』というルールを設けました。親も良かれと思ってやってきたことなので反省していますし、私自身がきちんと関与してこなかったのがいけなかった。家族全員が安心・快適に暮らせる場所にできるよう頑張ります」

 

 

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