第一志望校への合格は、中学受験に励む親子にとって最大の目標です。しかし、念願の合格を手にした瞬間に、心身の糸が切れてしまうケースは少なくありません。ある母子のケースをみていきます。
「もう、無理…」偏差値70超えの神童が合格発表翌日に異変。入学式欠席、暗い部屋で放った「まさかの一言」に46歳母、顔面蒼白 (※写真はイメージです/PIXTA)

増え続ける不登校…その背景にあるのは

文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』によると、小・中学校における長期欠席者数は50万6,970人(前年度49万3,440人)。そのうち不登校は、小学校で13万7,704人、中学校で21万6,266人にのぼります。

 

不登校の増加については、背景も複合的です。子どもに「無理に登校しなくてもよい」という休養の考え方が広がってきたことに加え、コロナ禍を経て保護者や子ども自身の登校に対する意識も変化。また、発達特性など特別な配慮を必要とする子どもへの早期支援の難しさや、生活リズムの乱れへの対応といった課題も指摘されています。

 

特に懸念されるのが、自己評価の源泉を外部の数値に依存する危うさです。独立行政法人国立青少年教育振興機構『高校生の心と体の健康に関する調査(2021年)』では、「自分は価値がある人間だと思う」と回答した日本の高校生の割合は他国と比較して低く、自己肯定感の脆弱さが指摘されました。これは高校生が対象の調査であるものの、直樹さんの場合も同じようなことがいえます。高い偏差値や合格という結果だけを自己の存在証明にしてきた子は、目標を達成した瞬間に心身が枯渇する「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に陥るリスクを抱えているのです。

 

厚生労働省の定義によれば、燃え尽き症候群は「それまで意欲的に取り組んでいた人が、心身の極度の疲労により、社会に適応できなくなる状態」を指します。文部科学省も、生徒指導において画一的な指導ではなく、個々の状況に応じた柔軟な対応の重要性を説いています。燃え尽きを「甘え」と切り捨てるのではなく、一つの役割を終えた心身のSOSとして受け止める視点が欠かせません。親が偏差値・成績という物差しを一度手放し、子が自分の意志で次のステップへ踏み出せるまで「何もしない時間」を許容することが、長期的な回復に向けた一つの方法になります。

 

 

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