(※写真はイメージです/PIXTA)
遺族年金の仕組みと誤解が生じやすいポイント
遺族年金は、亡くなった人の年金額がそのまま配偶者に移る制度ではありません。公的年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金で構成されていますが、遺族に支給される際は仕組みが異なります。子のいない配偶者の場合、遺族基礎年金は原則として支給対象外となり、受け取れるのは遺族厚生年金に限られます。この点について「夫の年金がそのままもらえると思っていた」という声は少なくありません。
遺族厚生年金は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基本です。そのため、夫婦で受け取っていた合計額と比較すると、受給額が大きく減少するケースが一般的です。厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』で、国民年金受給者の平均年金額を見ていくと、遺族年金においては月8万8,917円。事例のような水準は決して特別ではないのです。
また、妻自身が老齢厚生年金を受給している場合、自身の厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金には調整が入ります。制度上は一定の保障があるものの、生活費全体を賄うには不足する可能性がある点に注意が必要です。
「こんなに減るとは思わなかった」と感じる背景には、制度の複雑さと情報の断片的な理解があります。老後の生活設計では、配偶者の死亡後の収入水準も具体的に試算し、「どの程度の生活費が不足するのか」を事前に把握しておくことが重要です。
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