老後の備えとして注目を集める新NISAですが、平穏な日々を揺るがすこともあります。特に、退職という大きな節目を目前に控えた時期は、現役世代とは異なるリスク管理が求められます。ある男性のケースから、ライフステージに応じた投資判断の重要性を考えます。
もう逃げたい…月収48万円・定年目前の59歳会社員、新NISAの誤算「定期預金のままでよかった」 (※写真はイメージです/PIXTA)

ライフステージに適したリスク管理の重要性

松井さんのような状況に陥る背景には、制度の趣旨と個人の運用期間のミスマッチがあります。金融庁の「NISA制度に関する広報資料」では、本制度の基本を「長期・積立・分散」による安定的な資産形成としています。これは、数十年という長い投資期間を確保することで、短期的な市場変動の影響を軽減し、収益の安定化を図る手法です。しかし、定年退職を目前に控えた層にとって、十分な運用期間の確保は容易ではありません。

 

厚生労働省「令和6年簡易生命表」によると、60歳男性の平均余命は約23.6年、女性は約28.9年。この数値が示す通り、定年後も生活は20年から30年弱続きますが、資産運用の観点では注意が必要です。

 

定年後は給与に代わり年金が主な収入源となります。現役時代のように「下落局面で追加投資を行う」ことや「労働収入で損失を補填する」といった柔軟な対応が難しくなります。そのため、一度資産が大きく目減りした場合、回復を待つための時間的・精神的な余裕は、現役世代よりも著しく低下します。

 

特に松井さんのように、一括投資によって短期間で多額の資金を投じた場合、購入時期が分散されないため、市場の価格変動が直接的に資産全体へ影響を及ぼします。退職が数ヵ月後に迫る時期では、期待収益を追うことよりも、資産の毀損を最小限に抑える「守りの姿勢」が求められるのです。

 

 

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