(※写真はイメージです/PIXTA)
高年収世帯でも「家計は苦しい」の正体
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与は、非役職者(平均年齢39.0歳)で月収36.5万円、年収で605.4万円です。当然、役職が上がると給与もアップします。
係長職(平均年齢44.1歳)は月収42.4万円で年収736.8万円。課長職(平均年齢48.7歳)は月収57.3万円で年収964.2万円です。そして部長職(平均年齢53.1歳)になると月収68.7万円、年収はついに1,000万円の大台を突破し、1,118.2万円に達します。さらに田中さんのような大企業の部長ともなると、平均月収は82.3万円。月収の5カ月分以上の賞与を含め、平均年収は1,426.1万円にまで上ります。
役職が上がるごとに着実に昇給するならば、サラリーマンの多くが出世を目指すでしょう。しかし、役職が上がったからといって、必ずしも経済的な余裕が生まれるわけではないようです。
日本の税制および社会保障制度において、年収1,400万円前後の層は、税負担の増加と各種給付の縮小が重なり、相対的に負担感が大きくなりやすい傾向にあります。所得税の累進課税に加え、社会保険料も高い水準で負担しなければなりません。
また、内閣府の「児童手当制度」や文部科学省の「高等学校等就学支援金制度」などには所得制限が設けられており、一定の水準を超えると給付額が縮小、または対象外となります。こうした制度設計により、いわゆる「所得制限の壁」が意識されやすく、額面年収の増加に比べて手取り額の伸びが緩やかになるケースが見られます。
ちなみに年収1,400万円(専業主婦、扶養家族2人、東京都在住)の場合、簡易的な計算では、社会保険料が年間約160万円、所得税が約130万円、住民税が90万円弱となります。手取りは約1,000万円となり、手取り割合は7割を少し上回る程度です。
総務省の『家計調査 家計収支編 2025年平均』によると、世帯年収600万~650万円の世帯と、1,250万~1,500万円の世帯を比較した場合、1カ月の支出は1.59倍にのぼります。住居費は1.2倍、教育費に至っては2.83倍と、固定支出が高い傾向にあります。
結局、収入に見合った支出規模になりやすく、サラリーマン家庭ではそれほど余裕は生まれないということでしょう。これに親の介護という突発的なリスクが加わると、1馬力での家計維持は極めて困難になります。
今後、少子高齢化が進むなかで、現役世代の負担はさらに増すことが予想されます。単なる年収の多寡だけでなく、可処分所得の推移やライフイベントに伴うリスクを考慮した、より長期的な視点での資産形成が必須となりそうです。
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