共働きで収入も安定し、将来を見据えて住宅を購入する――。多くの現役世代にとって自然な選択です。しかし、その資金の出し方や名義の設定によっては、思わぬ税負担が生じることもあります。実際に、7,800万円の住宅を購入した40代夫婦に対し、後日、税務署から課税に関する通知が届いたケースもあります。何が問題と判断されたのか、制度の考え方とあわせて見ていきます。
「そんなバカな…」世帯年収1,280万円・40代夫婦。〈7,800万円のマイホーム〉購入後、税務署から届いた“1通の封書”と想定外の課税 (※写真はイメージです/PIXTA)

「夫婦だから問題ないと思っていた」…見落とされやすい“名義と負担”のズレ

今回のケースで問題とされたのは、頭金の負担と名義の関係です。住宅のように高額な資産を取得する場合、実際に資金を出した人と、登記上の持分(所有権の割合)が一致していないと、その差額について一方から他方への贈与と判断される可能性があります。

 

日常生活では家計を共有していても、税務上、夫婦はそれぞれが独立した財産主体として扱われます。そのため、「夫婦のものだから半分ずつ」という感覚的な判断が、そのまま通用しない場面があるのです。

 

贈与税は累進課税であり、金額が大きくなるほど税率も上がります。国税庁『No.4408 贈与税の税率』によれば、税率は最大55%とされています。

 

また、国税庁『令和6年分 国税庁統計年報書』によれば、贈与税の申告件数は約40万件規模にのぼり、現金や不動産に関連する資産が多くを占めています。住宅取得のように数千万円単位の資金が動く場面では、資金の負担割合によって課税関係が生じるケースも一定数含まれていると考えられます。

 

「言われてみればそうなのかもしれませんが、購入時にそこまで考えていませんでした」

 

田中さんは当時をそう振り返ります。今回のようなケースは、事前の対応によって回避できる可能性があります。たとえば、実際の資金負担に応じて持分を設定する方法です。頭金の多くを一方が負担している場合、その割合に応じた名義とすることで、贈与とみなされるリスクは抑えられます。

 

住宅購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな意思決定です。その分、資金計画やローン条件には注意が向きやすい一方で、税務上の扱いまで十分に確認されないまま進んでしまうことも少なくありません。

 

「周りも同じようにやっていると……」

 

特別な取引でなくても、条件によっては課税の対象となります。大きな金額が動く場面ほど、資金の出し方と名義の関係をあらかじめ整理しておくことが、その後の経済的負担を左右することになるのです。

 

 

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