「年金が増額される」という朗報に胸を弾ませ、銀行へ向かった77歳女性。しかし、記帳した通帳に刻まれていたのは、期待とは裏腹に「前回より減っている」という不可解な数字でした。額面上は確かに増えているはずなのに、なぜ手元に残るお金は減ってしまうのか――理由を紐解いていきます。
「年金は増えたのに苦しい…」年金16万円・77歳女性、貯金通帳を二度見。年金増額の喜びを打ち消した「予期せぬ通知」の中身 (※写真はイメージです/PIXTA)

通帳を見て、何度も確認しました

都内・築40年のマンションで一人暮らしをする加藤春子さん(77歳・仮名)は、昨年の春、ある「通知」を手に困惑したといいます。2025年度の年金額がプラス改定されるというニュースをテレビで見て、月額にして数千円の収入増を期待していたからです。

 

「物価も上がっていましたし、少しでも増えるのはありがたいと思っていました。でも、実際に6月の振込日に記帳して驚きました。振り込まれていたのは、前回とほとんど変わらない、いえ、むしろ数百円ですが減っていたんです。何度も通帳を読み返しました」

 

加藤さんの年金額は、厚生年金を含めて月額約16万円。2025年度の改定で、額面上は確かに数千円増えていました。しかし、それと同時に送られてきた「年金振込通知書」の内訳をよく見ると、増額分を相殺するかのように、ある項目が大きく膨らんでいました。

 

「介護保険料と、後期高齢者医療保険料です。特に介護保険料の上がり幅には驚きました。役所から届いた通知には、私の住んでいる自治体の保険料率が変わったと書かれていましたが、まさか年金の増額分がそのまま吸い取られるような形になるとは思いもしませんでした」

 

現役時代に事務職として40年以上働いていた加藤さん。貯蓄も一定額あり、決して困窮していたわけではありません。しかし、2026年も4月が近づき、年金の改定時期を迎えても彼女の表情は晴れません。

 

「今年も『年金が増える』と言われていますが、もう手放しでは喜べません。数字のうえでは増えているのに、実際に手にできるお金が増えるとは限らない。また糠喜びになるかもと思うと、ちょっと……」