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「デジタル弱者」という免罪符…親の孤独を埋める「テクニカル依存」
総務省『令和7年版 情報通信白書』によると、70代のスマートフォン利用率は年々上昇し、84%に達しています。しかし、利用内容の内訳を見ると「地図・ナビゲーション」や「オンラインショッピング」などの能動的な活用は限定的です。依然として「電話・メール・SNS」などのコミュニケーション機能に偏重している実態があります。
同資料では、デジタル活用における課題として、約半数の高齢層が「操作方法が分からない」と不安を抱いており、身近な家族がサポートを担っている現状を指摘しています。
また、高齢者のスマホ利用で注意したいのが詐欺等の犯罪です。トビラシステムズ株式会社が行った調査では、高齢者の半数以上(51.6%)が「スマホで不安や困り事を感じたことがある」と回答しました。
トラブル経験は「不審な電話(86.1%)」「不審なSMS・メール(62.1%)」が多数を占める一方で、トラブルについて「誰にも相談しなかった(37.4%)」が最多となっています。なぜ家族にも相談しなかったのか、その理由を問うと「自分一人で解決できると思った(52.0%)」が最も多くなっています。
今回の事例において、父・昭雄さんが「助けて」と娘に発信できている点は、孤立や詐欺被害を防ぐ観点では肯定的な側面もあります。しかし、子がすべての操作サポートを担う現状は考えものです。
対策としては、操作に関する初歩的な疑問を、自治体の「デジタル推進委員」による相談会やキャリアのスマホ教室など、外部の窓口へ分散させることが有効です。
「緊急の連絡」と「日常の操作質問」を切り分け、操作については専用のサポートセンターを活用してもらうなど、家族以外の頼り先を親に伝えておく。こうした小さな工夫の積み重ねが、お互いにストレスを溜めない距離感につながります。