かつては若手社員が率先して引き受けていた社内イベントの幹事業務ですが、近年は「タイパ」を重視する若手が難色を示すケースが増えています。一方で、ハラスメントを恐れる管理職は若手に強く指導できず、そのしわ寄せは中堅社員へと向かいます。通常業務に追われながら、店探しや集金などの「見えない労働」に奔走する中堅社員の苦悩と、令和における職場の飲み会事情を紹介します。
「送別会の幹事、お願いできる?」に「それって業務ですか?」と返す若手…上司も逃げ腰で〈年収500万円〉35歳中堅社員に丸投げ、「報われない飲み会」に疲労困憊 (※写真はイメージです/PIXTA)

若手社員にとっての「会社の飲み会」の認識

Aさんの事例のように、職場の飲み会に対する世代間の意識のズレは、現代の企業が抱える課題となっています。若手社員の会社イベントに関する関心度についてのデータを見ると、若手社員の複雑な心理が浮かび上がってきます。

 

株式会社ジェイックが発表した「若手正社員に『職場の親睦を深める機会』について調査」によると、「仕事の相談や連携に加え、雑談もできる良好な関係がいい」と回答した若手は78.8%にのぼりました。さらに、親睦を深める機会として「お酒を飲みながら交流する『夜の飲み会』」に魅力を感じる層も48.2%(※費用は会社負担の場合)と最も多く、決して若手は交流自体を完全に否定しているわけではありません。また、株式会社マイナビの調査でも、20代の約6割が会社の飲み会に「参加している」と回答しており、実は30代の参加率と同水準であることがわかっています。

 

しかし、彼らが敬遠しているのは「自腹を切る出費」や「業務時間外の無給の拘束」です。費用が会社負担であれば参加したい若手と、ハラスメント規制が厳しくなったことで若手への接し方に過剰なまでに慎重になっている管理職。

 

結果として、文句をいわずに動いてくれる中間層に負担が集中するという現象が起きています。職場の親睦を深めるためのイベントが、かえって一部の社員に不満を蓄積させている現状は、これからの社内コミュニケーションのあり方を見直す時期にあることを示しているといえるでしょう。

 

[参考資料]

株式会社マイナビ「若手社員の“飲み会離れ”は本当か?「人間関係」による離職を防げ! ~節度あるインフォーマルなコミュニケーションの可能性について~」

株式会社ジェイック「若手正社員に「職場の親睦を深める機会」について調査」