(※画像はイメージです/PIXTA)

テクニカル分析とは、株式や為替といった金融商品の値動きについて、過去のパターンやトレンドから将来の値動きを予測する手法です。ただ、投資初心者がテクニカル分析を駆使するのは決して簡単ではありません。そこで今回、15年間の証券会社勤務を経て、現在はJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の講師としても活動するCFPの倉橋孝博さんが、テクニカル分析のなかでも独自性の高い「一目均衡表」の読み方を解説します。

“最強の買いシグナル“「三役好転」と、相場のカギを握る「雲」

 

ところで、大相撲にある「三役揃い踏み」という儀式をご存じでしょうか。これは千秋楽、結びの三番前に、東西の力士が3人ずつ土俵上で四股を踏み、これからの熱戦にむけて花を添え高揚感を高めるものです。

 

実は、一目均衡表にもこれになぞらえた“最強の買いシグナル“といわれる「三役好転」というものがあります。一目均衡表における三役とは、次の3つです。

 

1.転換線が基準線を上抜ける「好転」

2.遅行スパンがローソク足を上抜ける「好転」

3.現在のローソク足が雲(抵抗帯)を上抜ける「好転」

 

出所:筆者作成
[図表6]三役好転 出所:筆者作成

 

この三役好転はそれぞれ2~3日のタイムラグがあり、3番目の「現在のローソク足が雲(抵抗帯)を上抜ける」をもって“揃い踏み”となります。この現象が現れると、上昇相場入りの確度はかなり高いとされます。一目均衡表でも、三役が揃う瞬間は思わずワクワクしてしまう場面です。

 

もちろん反対に、最強の売りシグナルになる「三役逆転」も存在します。こまめにチェックするといいでしょう。

 

「雲」は相場の支えにも壁にもなる

そしてなんといっても一目均衡表で肝となるのが「雲(抵抗帯)」の存在です。天気でも雲の上は晴れ、雲の下は曇りや雨になりやすいものですが、一目均衡表の雲も然り、同じような性質を持っています。

 

「雲」の上に株価があると、相場は上昇しやすくなります。仮に下落しても、雲の上限で下げ止まることもあり、雲がクッションの役割を果たしてくれます。

 

当然、株は上げ続けるわけではなく調整局面もありますが、そんなとき、株価は往々にして雲の中に入っています。雲の中は「気迷い相場」であり、まだエネルギーが残っていれば雲の下限で下げ止まり、再度、上昇に向けたチャレンジが始まります。しかし、いったん雲を下抜けてしまうと、しばらくは軟調な展開が続きやすくなります。

 

逆に、株価が雲の下にある銘柄は、株価がいくら上昇しても雲の下限で跳ね返されるケースが多くなります。積乱雲のように分厚い抵抗帯がある場合は、上昇相場入りには相当のパワーが必要です。

 

ただし、雲には薄くなっている部分や、ねじれている箇所があります。これらは良くも悪くも相場の変わり目になりやすい場所です。飛行機が雲の薄い部分を通過するときにあまりパワーを必要としないように、一目均衡表でも不思議と株価はその部分を狙って動いています。

 

出所:筆者作成
[図表7]雲の薄い部分やねじれた箇所は相場が変わりやすい 出所:筆者作成

午年相場を“駆け抜ける”ために

 

今回は、一目均衡表の基本的なポイントを紹介しました。基本とはいえ、これだけでも一目均衡表の奥深さや面白さを感じていただけたのではないでしょうか。

 

もちろん、一目均衡表は万能ではありません。ときには“騙し”もありますが、まずは基本を押さえることで、投資成績の向上にきっと役立つはずです。

 

さて、日経平均株価の一目均衡表は現在「雲」の上にあり、12月中旬以降は雲の上限に沿って推移してきました。年明けはやや雲から上放れ、巡航速度で飛行しているような落ち着いた動きがみられます。

 

なお、雲は1月下旬から2月上旬にかけて薄くなるため、この期間は注意が必要かもしれません。

 

マーケットは「生き馬の目を抜く」一面があります。一目均衡表という新たなスキルを身につけ「午尻下がり」を吹き飛ばすべく、みなさんの株式投資が“うま”くいくことを心から願っています。

 

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

 

 

倉橋 孝博

株式会社くらはしFP事務所

代表取締役

本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。