セカンドライフの夢を乗せて踏み出した地方移住。十分な資産背景と入念な準備があれば、安泰な暮らしが待っていると考えがちです。しかし、想像だにしない地域事情に衝撃を受けることもしばしば。ある夫婦のケースを見ていきます。
目を疑いました…退職金2,300万円・60歳夫婦、地方移住初日に見た「衝撃看板」の正体 (※写真はイメージです/PIXTA)

特定の車種や農作物を狙う「組織的犯罪」の脅威

警察庁が公表した令和6年(2024年)の自動車盗認知件数は全国で約6,080件(前年5,762件から318件増)と増加傾向にありました。北関東エリアを例にすると、民間集計などを基にした都道府県別の参考値では、茨城県で約185件、栃木県で約107件、群馬県で約104件の自動車盗が認知されています。

 

多発エリアとして知られているのが、国道沿いの店舗駐車場や大型ショッピングセンターの駐車場、自動車販売店やコインパーキングなど。また、防犯意識が緩みがちな郊外の住宅地でも被害が報告されています。さらに、ランドクルーザーやレクサス、プリウスといった特定の人気車種が狙われるケースが多いといいます。

 

【令和7年上半期における車名別盗難台数の状況】

1位:ランドクルーザー(トヨタ)

2位:プリウス(トヨタ)

3位:アルファード(トヨタ)

4位:レクサスRX(トヨタ) 

5位:レクサスLX(トヨタ)

※:出所:警察庁

 

農地が広がる地域では、農作物や農業機械、さらには家畜の盗難も深刻な課題です。農林水産省が公表している「農作物の盗難の実態と対策」に関する資料によれば、組織的な窃盗団は下見を繰り返し、街灯が少なく人通りの絶える夜間の農場を狙います。

 

これに対し、各自治体やJA(農業協同組合)では「防犯カメラ作動中」や「不審車両110番」といった物々しい看板の設置を強く推奨しています。これは単なる注意喚起ではなく、犯行グループに対して「この地域は防犯意識が高い」と知らしめるための防衛策です。

 

日本どこであっても、無防備でいいというところはありません。地方移住を成功させるためには、ポジティブな情報だけでなく、たとえば警察が公開している「犯罪発生マップ」や、自治体が発信している「防災マップ」などもしっかりと確認し、どのようなリスクがあるのか、しっかりと把握することが重要です。