退職金を含む老後資金4,000万円を手に、500万円の格安古民家へ移住した甘見さん(仮名・62歳)。「地方なら安く暮らせる」という思い込みが、老後破綻の危機を招きました。家賃がかからないからと安心していた彼を襲ったのは、想定外のリフォーム代と、ガソリン代高騰などの急激な物価高でした。このままでは貯金が尽きると絶望し、理想を捨てて都市部へ戻る決断をした60代の事例を紹介します。
このままだと、年金をもらう前に貯金がゼロになる…500万円の古民家を購入した62歳男性の誤算。地方移住で〈老後資金4,000万円〉を半減させたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

地方移住の相談は過去最多だが、理想と現実のギャップも

ふるさと回帰・移住交流推進機構のデータによると、2025年の移住相談件数は過去最多となる7万件に達しました。長引く物価高や住宅価格の高騰を背景に、生活費のコストダウンを求めて地方移住を検討する層が増加していることが推測できます。

 

しかし、イエコンの調査データによれば、地方移住をやめた人の約70%が「3年未満」で離脱しています。その最大の理由として挙げられているのが「買い物が不便」「移動手段が不便」といった生活インフラへの不満です。また、地方移住の後悔について聞いたところ、「思ったよりも生活費が減らなかった(6.9%)」という回答も一定数ありました。

 

地方は住居費こそ抑えやすいものの、車の維持費やプロパンガス料金などの固定費が予想以上にかさむ傾向があります。さらに昨今のインフレの影響で、食料品や日用品が都市部より安いとは限りません。

 

見かけの住居費の安さにとらわれず、トータルでの生活コストを冷静にシミュレーションすることが地方移住をするうえで不可欠です。

 

[参考資料]

イエコン(株式会社Clamppy)「【地方移住】やめた人の7割が3年以内で離脱!地方移住成功の秘訣とは?(https://iekon.jp/column/survey/32857)」

 

ふるさと回帰・移住交流推進機構「2025年「ふるさと回帰支援センター・東京」の窓口相談者が選んだ移住希望地」