米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃により、早速為替に影響が出ています。日本は原油輸入の96%を中東に依存しているため、世界の原油の20〜30%が通過する「ホルムズ海峡」の封鎖は家計にとって最悪級の外部ショックです。今回のイラン攻撃が家計にどのような影響を与えるかをみていきましょう。FPの川淵ゆかり氏が解説します。
【緊急】家計負担「年間8.9万円増」どころじゃない…イラン攻撃でガソリン200円超え?ホルムズ海峡封鎖が招く「普通の家庭」に直撃する最悪な危機 (※写真はイメージです/PIXTA)

株価の動向…「短期は急落、中期は上値が重くなる」可能性

投資家にとっても、いまは我慢のときといえます。

 

●短期(数日〜数週間)

・地政学リスクが高まると、投資家は金や米国債などの安全資産に資金を移しがち
・そのため、株価は一時的に急落しやすい
・新しいニュースが出るたびに市場が敏感に反応し、乱高下が起きやすい

 

●中期(数ヵ月)

・ホルムズ海峡封鎖で原油価格が高騰
・企業のコスト増 → 利益圧迫 → 株価の上値が重くなる
・景気後退リスクが高まり、投資家のリスク回避姿勢が続く可能性

 

なお、株価の面だけでいうと、株価を本当に大きく動かすのは戦争そのものよりも、金融危機や信用収縮のような経済の根幹を揺るがす事態です。

 

地政学リスクが高まるなかでの投資家としての行動

こうした状況下において投資家は、以下のような行動を心掛けるようにしましょう。

 

・情報収集と分析:常に最新の国際情勢や経済動向を把握し、それがどのような産業に影響を与えるかを分析する。

・ポートフォリオの分散:特定の産業、地域、資産クラスに集中せず、投資対象を幅広く分散することでリスクを軽減する。

・リスク許容度の確認:自身の資産状況やリスク許容度を再確認し、不安な場合は無理のない範囲で投資を行う。

家計負担は「年間8.9万円増」を大きく上回る可能性

第一生命経済研究所は、4人家族の場合の2026年の家計負担が“年間8.9万円増えるという試算を公表しています。

 

しかし、今回のホルムズ海峡封鎖は、日本にとって最悪級の外部ショックであり、ガソリン・電気・ガス・食品・物流コストの上昇が重なるため、この8.9万円を大きく上回る負担増になる可能性が高いと考えられます。家計は「待てば楽になる」状況ではなく、早めの対策が必要な局面に入ったのです。

 

家庭でできる物価高対策(固定費→変動費→資産の順)

物価高や円安は私たちの力では止められませんが、家計の見直しや資産の持ち方を工夫することで、負担を確実に和らげることはできます。優先順位をつけて取り組みましょう。

 

1.固定費の見直し(最も効果が大きい)

・通信費の削減:格安SIMへの切り替えなど、年間3〜6万円の削減

・保険の見直し:不要な特約の整理

・サブスクの棚卸し:月1,000円でも年間1万2,000円

→一度見直すと“毎月自動で節約”になるため、最優先で取り組むべき項目。

 

2.変動費の最適化(すぐに効果が出る)

・ガソリン:給油アプリ・会員割引、移動の効率化

・電気/ガス:プラン見直し、フィルター掃除、待機電力の削減

・食品/日用品:特売日、まとめ買い、冷凍保存、プライベートブランドの活用、ポイント経済圏

→日々の工夫で数千円〜数万円の差が出る。

 

3.資産の持ち方を工夫する(中期的な備え)

・円安に強い資産を少し持つ(外貨/金など)

・現金だけで持つリスクを分散

→物価高/円安が長期化する可能性に備える。

 

先行きが不透明な時代だからこそ、「備える力」が家計の安心につながります。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表