米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃により、早速為替に影響が出ています。日本は原油輸入の96%を中東に依存しているため、世界の原油の20〜30%が通過する「ホルムズ海峡」の封鎖は家計にとって最悪級の外部ショックです。今回のイラン攻撃が家計にどのような影響を与えるかをみていきましょう。FPの川淵ゆかり氏が解説します。
【緊急】家計負担「年間8.9万円増」どころじゃない…イラン攻撃でガソリン200円超え?ホルムズ海峡封鎖が招く「普通の家庭」に直撃する最悪な危機 (※写真はイメージです/PIXTA)

ガソリン価格「200円超え」の現実味

イラン情勢の悪化を受け、2026年に入ってからすでに原油価格は右肩上がりで上昇しており、供給不安が強まっていました。今回のイラン攻撃で、さらに原油価格は上昇するでしょうが、ホルムズ海峡が封鎖という事態にまで至り、数週間後にはガソリン代が200円台となる可能性も現実味を帯びてきています。

 

日本は原油輸入の96%を中東に依存しているため、原油価格の高騰はガソリンだけにとどまらず、電気・ガス料金などの物価上昇を招きます。

160円の可能性も?円安の加速

今回のように政治的・軍事的な緊張が高まる地政学リスクが高まると、“安全資産”が買われます。ひと昔前であれば、安全資産としてみなされていた円が買われていました。しかし、縮まらない日米の金利差や日本の財政不安から円の信頼性は低下しつつあります。

 

地政学リスクが高まると、世界の投資家は“最も安全な通貨”である米ドルを買います。いわゆる「有事のドル買い」です。イラン攻撃でも有事のドル買いが起き、現在、為替は157円台まで円安が進みました。これにより、以下の悪循環が懸念されます。

 

・ドルの二重需要:原油はドル建てで取引されるため、原油高が進むほど決済のためのドル需要が高まり、さらに円安を加速させます。

・円の信頼低下:もし今後、原油高により電気やガス料金が値上がりし、政府が物価高対策として補助金の拡充や延長を決定すれば、財政支出が増え、結果的に円の信頼性がさらに損なわれることになります。

 

しかしながら、戦争など地政学リスクが極端に高まってくると「安全資産としての円買い」が再び起き、為替は乱高下する可能性も。ホルムズ海峡封鎖で、円安の160円超えもみえてきたため、今後はレートチェックや為替の介入といった手段も取られるかもしれません。