正解はなくても、選択肢はある…未婚の子がいる世帯が今からできる現実的な整理

未婚の子を持つ親世代に、万能な解決策はありません。ただし、「何も決めない」ままにしておくことが、結果的に子どもに重い判断を背負わせる場合があります。

まず考えたいのは、「家を継がせる」という前提を一度外してみることです。誰も住まない家を残さないために、売却や管理の限界を含め、出口を想定しておく。それだけでも、将来の選択肢は整理されます。

次に大切なのは、「息子にすべてを任せきりにしない」ことです。「自由にしていい」という言葉は、時に優しさではなく、判断の丸投げになります。結論を押しつける必要はありませんが、親としての考えを伝えておくことには意味があります。

墓についても同じです。継いでもらうかどうか、負担を減らす方法はないか。「自分の代で区切る」という選択も、時代に合った前向きな判断といえるでしょう。

こうした考えをどう伝えるか。必ずしも最初から法的な書類を整える必要はありません。たとえば、エンディングノートに「どう考えていたのか」「どこまで整理してほしいのか」といった気持ちを書き残しておくだけでも、子どもが迷わずに済むことがあります。

形式よりも大切なのは、親の考えが伝わることです。妹の家には、孫がいて、墓を継ぐ人がいて、「続いていく」という安心感がありました。でも、美智子さんの家には、それがない。だからこそ、今、自分たちで整理しておく必要がある——そう気づいたのです。

今すぐ答えを出す必要はありません。ただ、考え始められるのは、元気な今しかありません。あなたの家では、「その先」の話をしたことがあるでしょうか。それは、子どものためだけでなく、あなた自身の安心のためでもあるのです。

三原 由紀
プレ定年専門FP®