物価上昇が続くなか、年金生活に不安を抱く人は多いです。特に、配偶者を亡くして年金受給額が減少した場合、生活設計の見直しは避けられません。そんな受給者を助ける、年金の“上乗せ制度”はご存じでしょうか。夫を亡くして年金受給額が月あたり22万円から15万円に減少した67歳女性の事例をもとに、「年金生活者支援給付金」のポイントと注意点をみていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
本当にもらえるんだ…偶数月の15日、銀行のATM前で笑みを浮かべる60代女性。日本年金機構から届いた“緑色の封筒”で「年金+7万円」に【CFPが「年金生活者支援給付金」のポイントを解説】
年金月22万円→15万円に…夫亡きあとの現実
「本当にもらえるんだ……」
偶数月の15日。ナオコさん(仮名・67歳)は銀行ATMの前で通帳を見つめ、思わず笑みを浮かべました。
この日、ナオコさんの口座には、いつもの年金とは別に年金生活者支援給付金が振り込まれていました。これにより、本来の年金に加えて、年額で約6.5万円が上乗せされることになったのです。
振り返ること数ヵ月前。ナオコさんは最愛の夫を病気で亡くしました。
葬儀や手続きを終え、気持ちが少し落ち着いてきた頃、次に直面したのが生活費の問題でした。
これまでは、夫婦で月22万円ほどの年金収入がありました。毎月1〜2万円の赤字はありましたが、二人で何とかやりくりしてきたといいます。しかし今後は、ナオコさん自身の年金6万円と、遺族厚生年金9万円の月15万円で生活しなければなりません。
一方、生活費は月20万円ほどで毎月5万円の赤字です。貯金は約600万円。
この赤字が続けば、10年ほどで貯金が尽きてしまう計算でした。
「このままでは、自宅を売ることになるかもしれない……」
将来への不安に、ナオコさんは思わず言葉を失います。
家計改善はまず「固定支出の削減」から
生活への不安を抱えたまま過ごすなか、ナオコさんはふと、夫の定年前に老後の家計プランを相談したファイナンシャルプランナー(FP)を思い出し、相談することにしました。
ナオコさんから現在の状況をヒアリングしたFPは、家計の内容を確認しながらいくつか支出面で改善できそうな点を指摘しました。
そして話題は、今後の収入面に移ります。