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統計が示す「住宅の老朽化」と「空き家予備軍」の深刻な現実
総務省『令和5年住宅・土地統計調査』によると、全国の空き家数は約900万戸に達しており、総住宅数に占める割合は13.8%と過去最高を記録しました。ここで注目すべきは、賃貸用や売却用ではない「その他の住宅(放置された空き家)」が約385万戸にのぼり、前回調査(2018年)から約37万戸増加している点です。
また、国土交通省の資料によると、日本の住宅ストックのうち、現在の耐震基準を満たさない旧耐震基準の住宅や、断熱性能が著しく低い老朽物件が相当数存在しています。こうした物件は市場での評価が極めて低く、地方や都市部郊外では「土地代マイナス解体費用」で実質的な価値がゼロ、あるいはマイナスになる事例が増えています。
さらに、法改正による影響も無視できません。「空き家対策特別措置法」の改正により、管理不全とみなされた住宅は「特定空家等」に指定される可能性があります。指定を受けると、固定資産税の減額特例が適用されなくなり、税負担が最大で6倍に跳ね上がるリスクがあるのです。
このような状況もあり、「実家は相続したくない」という子世代も多くいます。株式会社AlbaLinkが全国の男女500人を対象に行った調査では、親から相続したくないもの1位は「不動産」(54.4%)と、2位の「お墓」(20.4%)の2倍以上でした。分割しにくい不動産はトラブルになりやすいという事情もありますが、子世代にとっても「負動産」と化した実家は、「親の代でどうにかしてほしい」というのが本音のようです。