残業は少なく、有給も取りやすい。福利厚生も充実しているのに、なぜか若手が定着しないし、業績も伸び悩んでいる……。そんな「ホワイトなのに活気がない職場」が増えています。実はデータを見ると、単に「働きやすいだけ」の企業よりも、多少ハードでも「働きがい」がある企業の方が、売上高増加率やPBR(株価純資産倍率)が高い傾向にあります。 本記事では、上林周平氏の著書『部下の心を動かすリーダーがやっていること』(アスコム)より、ブラックでもなく、ゆるいホワイトでもない、社員が主体的に働ける職場の作り方を解説します。
法改正によって生まれた「優しすぎる職場」…残業が少なく、有給も取りやすいホワイト企業でも「Z世代の離職」が相次ぐワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

メンバーの心が離れる職場の共通点

では具体的にどうやって「推せる職場」をつくっていくのか? 逆にメンバーのやりがいも主体性もどんどん奪っていく、ダメな職場に共通する特徴を解説します。もし思い当たることがあったら、それをやめるところから始めてみてください。

 

意見やアイデアが反映されない「やらされ感」

目安箱だけ置いておいて、中身は捨ててしまう。そんな職場があります。ある会社では、全社で大々的にグループ研修を行い、「新規商品・サービス」のアイデアを課題として提出させました。なんでもいい、思い付きでも構わない、とハードルを下げて、積極的な参加を促す目的だったようです。

 

狙いは奏功して様々な意見とアイデアが寄せられました。問題はここからです。出されたアイデアを上層部だけの会議で検討し、「これは無理」「あれは意味ない」と選別が始まります。練りこまれた企画ではないので、すぐに形にできるものはありませんでした。結局、具体的には何も起こらず、いつの間にか話題そのものがどこかへ行ってしまいました。

 

上層部が真剣に議論したことは間違いありません。しかしアイデアを出してくれた社員への共感がゼロです。結局、自分たちの考えは無視される。ならば最初から上の人だけで決めればよい。そんな社員の“やらされ感”を放置しています。理屈や正論で答えを出したとしても、部下の感情を置き去りにしていては主体性が失われ、仕事が他人事になっていきます。

 

 

上林 周平

株式会社NEWONE

代表取締役