2024年から2025年にかけての日本銀行による政策金利の引き上げは、日本の住宅ローン市場に大きな転換点をもたらしました。 かつて「超低金利」が当たり前だった時代は終わりを告げ、2026年現在、多くの住宅ローン利用者が金利上昇という現実に直面しています。
まさか、これほど金利が上がるとは…「年収900万円」42歳会社員、憧れのマイホーム実現から10年、「生きた心地がしません」の現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

2026年1月調査が示す「住宅ローンへの強い不安」

佐藤さんのように、金利上昇のニュースに戦々恐々とする利用者の姿は、データからも顕著に見て取れます。 株式会社LIFULLが2026年1月に発表した『住宅ローンに関する定期意識調査』によれば、住宅ローンを払いきれるかの不安について、「不安を抱いている(大いに不安・やや不安の計)」と回答した購入検討者は94.2%に達しました。

 

特に深刻なのは、借入額の重さです。 同調査では、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合が「3割以上」に達している層のうち、33.9%(約3人に1人)が「もっと借入額を減らせばよかった」と後悔の念を口にしています。

 

ここで注目すべきは「年収倍率」です。国土交通省『住宅市場動向調査』や住宅金融支援機構のデータによれば、新築マンションの購入価格は年収の7倍前後が近年の平均となっています。 かつて「安全圏」とされた5倍程度の倍率でローンを組むことが、都市部の物件高騰により極めて困難になっているのです。

 

今回の住宅ローンの調査では、金利上昇への対策として、今回初めて「新NISAやiDeCo(38.5%)」を活用する人が、具体的な対策を講じていない層を上回りました。 資産運用で金利上昇分を補おうとする動きが広がる一方で、佐藤さんのように教育費などの固定費が重い世帯にとっては、運用に回す余力すら奪われかねないという皮肉な状況が生まれています。

 

[参考資料]

株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S『住宅購入者と購入検討者に『住宅ローンに関する意識調査』をLIFULL HOME'Sが実施』