(※写真はイメージです/PIXTA)
働く姿勢は変えない…「静かな余裕」がもたらす境地
3億円の富を手にしても、彼の「働く姿勢」は変わらず、淡々と仕事をこなしています。派手な生活や他人への誇示には興味がなく、自分のペースでストレスのない生活を送ることこそが、彼にとって自分らしい生き方なのです。
「富裕層になったからといって、贅沢をしたいわけではない」そんな彼からは、静かな余裕が漂っています。
Aさんの成功の鍵は「支出のデカップリング(切り離し)」という徹底した戦略です。通常、資産が増えれば生活水準も比例して上がってしまうもの。しかしAさんは、資産が3億円に達しても低い生活コストを維持し続けました。「資産の増大」と「支出の固定」を完全に切り離したことが、運用効率を極限まで高める源泉となったのでしょう。
また、あえて「動かない」ことの合理性は、税制の面からもみてとれます。現在、日本における暗号資産の利益は「雑所得」に区分され、多額の利益を確定させると住民税を含めて最大約55%が税金として差し引かれます。どれほど資産を築いても、現行のルールではその半分以上が手元に残らないという厳しい環境が続いてきました。しかし、この状況も変わりはじめています。 2025年7月に業界団体から提出された「税率20%の申告分離課税」への改正要望を受け、令和8年(2026年)の税制改正大綱においても、その前向きな方向性が示されました。もし株やFXと同様の税率へと足並みが揃えば、暗号資産を巡る「資産の守り方」は劇的な転換期を迎えることになります。
同僚たちが「お互い大変だよね」と笑い合うなか、Aさんは一人、自分だけがみている「未来の経済地図」を大切に温め続けているのです。
総務省統計局の家計調査:貯蓄現在高階級別世帯分布(二人以上の世帯)(2022年)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/family6/05.html
独立行政法人 労働政策研究・研修機構:2022年ユースフル労働統計
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2022/documents/useful2022.pdf
金融庁:暗号資産の利用者のみなさまへ
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html
日本銀行:質問暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c27.htm
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
共同代表