(※写真はイメージです/PIXTA)
「IWGP」の影を引きずった平成の池袋
新宿、渋谷と並ぶ「東京三大副都心」の一角でありながら、池袋という街は長年、どこか「危うさ」を孕んだイメージで語られてきました。特に平成期においては、人気ドラマ『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』などの影響もあり、繁華街の雑多な喧騒、カラーギャングの存在、そして時折ニュースを騒がせる事件の舞台としての印象が強く刻まれていたのは否定できません。
株式会社CHINTAIが実施した「池袋の治安イメージと再開発による意識変化」に関する調査(2026年1月発表)によると、「平成の池袋」に対して「非常に悪い」「少し悪い」というネガティブな印象を抱いていた人は47.8%にのぼります。回答者の約半数が、当時の池袋を「治安が悪い街」として認識していたことになります。
その要因として最も多く挙げられたのは「ニュース報道」(38.4%)でしたが、興味深いのは「ドラマ・アニメ・映画などの舞台設定」も19.2%と高い数字を示している点です。メディアが作り上げた「フィクションとしての池袋」が、実在する街のイメージを規定してしまった側面が強いといえるでしょう。
しかし、現在はそのような空気感は一変しています。同調査によれば、現在の池袋の治安について「悪い」と答えた人は35.8%にまで減少しました。一方で「普通」「少し良い・非常に良い」と答えた人は合計で約6割(64.2%)を占めており、ネガティブなイメージが着実に後退していることが浮き彫りになりました。
この変化の背景には、情報源の多様化があります。平成期はテレビニュースや新聞が主なイメージ形成の場でしたが、昨今は「SNSで見かけた話題」(14.3%)が家族や友人の口コミを上回る影響力を持っています。SNSを通じて、街の「今」の風景や、お洒落なカフェ、整備された公園などのビジュアル情報がリアルタイムで拡散されることで、古い固定観念がアップデートされているのです。
また、調査によると、数年前と比べて治安が「良くなった(少し含む)」と感じている人は27.0%に達しています。その最大の理由として挙げられたのが「再開発で街全体がきれいになった」(54.3%)という声です。環境の美化が、人々の心理的な安心感に直結している様子がうかがえます。