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「痩せてくれるほうが世話しやすい」…変わり果てた父と、施設のあまりに非情な言葉
「父は180センチ近い大柄で、現役時代はバリバリ働く頑固一徹な人でした。その父が、あんなに弱々しく『帰りたい』なんて言うなんて……」
都内在住の小林由美子さん(58歳・仮名)。 由美子さんは、78歳になる父・健一さん(仮名)を1カ月前に有料老人ホームへと入居させました。
健一さんには障害があり、嚥下力も低下しています。 75歳の母・芳子さん(仮名)が自宅で献身的に世話をしてきましたが、老老介護の限界を感じた健一さん本人が「これ以上、お前(芳子さん)に苦労はかけられん」と入居を決めたといいます。
入居から1カ月。 電話越しの健一さんは「生活には慣れたよ」と淡々と話していましたが、受話器を置く間際、「……やっぱり、家に帰りたいなあ。家が一番だな」と寂しげに呟きました。 そのひと言に違和感を覚えた由美子さんは翌日、母とともに予告なしに施設を訪れました。 そこで目にしたのは、かつての威厳を失った父の姿でした。
「ちょうど夕食時だったのですが、父の前に置かれていたのは、何が入っているのか判別もつかない、茶色の粒々が混じったお椀でした。飲み込む力が弱いからと、すべての食事が粉砕された『刻み食』にされていたんです。父はそれを、無表情にスプーンですくっていました」
入居からわずか1カ月で頬はこけ、人相が変わるほど痩せていた健一さん。 驚いた由美子さんがスタッフに声をかけると、「そうですね、少し痩せましたね」と認めつつ、 「でもお父様、痩せているほうが介護もしやすいだろうって。確かに大柄な方は介護の負担も大きいですからね、助かっています」と続けたといいます。
「もしかしたら、私たちのショックを和らげようとした発言かもしれない。でも父は食欲もわかない食事にずいぶんと痩せてしまったのに、冗談でも介護負担が減って助かっているなんて……。母もショックだったらしく、『他人に面倒をみてもらっているんだから、感謝しなきゃ』と言いながら泣いていましたよ」