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都道府県「平均受給額」ランキング…大都市圏と地方の衝撃格差
年金の受給額は、住んでいる地域によっても驚くほど異なります。都道府県別の平均受給額(厚生年金保険・第1号)をランキング形式で見てみましょう 。
全国トップに輝いたのは「神奈川県」で、平均月額は17万0,457円。 次いで2位は「千葉県」(16万5,103円)、3位は「東京都」(16万3,892円)、4位は「奈良県」(16万2,292円)、5位は「埼玉県」(16万1,752円)と続きます 。
一方、最も平均受給額が低かったのは「青森県」で、12万8,129円。 続いて「沖縄県」(12万8,819円)、「宮崎県」(12万9,224円)、「秋田県」(12万9,503円)、44位「山形県」(13万1,169円)となっています 。東北や九州地方の一部で、受給額が伸び悩む傾向が見られます。
トップの神奈川県と最下位の青森県との差は、4万2,328円。これを1年間に換算すると、約50万8,000円もの「年金格差」が生じていることになります。 同じ日本国内で同じ制度を利用していても、地域ごとの賃金水準や産業構造の違いが、老後の収入にこれほど大きな影響を与えているのです。
自営業者などが受け取る「国民年金(老齢基礎年金)」の状況も見てみましょう。こちらは厚生年金とは異なる傾向を示します。
国民年金の平均受給額トップは「富山県」で6万2,989円 。 2位「福井県」(6万2,290円)、3位「島根県」(6万2,287円)、4位「長野県」(6万2,030円)、5位「新潟県」(6万1,957円)と、北陸や日本海側の地域が上位を独占しました 。 これらの地域は伝統的に国民年金の納付率が高いことで知られており、満額に近い年金を受け取っている人が多いことが推測されます。
対して、最も低かったのは「沖縄県」で5万4,217円 。1位の富山県とは月額で9,000円近くの差があり、未納期間や免除期間の影響が数字に表れている可能性があります。
「繰下げ受給」はじわり増加…自分に合った戦略を
人生100年時代、年金の受け取り方も多様化しています。 受給開始を65歳より遅らせて受給額を増やす「繰下げ受給」。今回のデータでは、厚生年金受給権者の1.9%が繰下げを選択しており、前年度の1.6%から着実に増加しました。 一方で、受給額が減っても早く受け取る「繰上げ受給」を選んだ人は1.2%(前年度0.9%)と、こちらも微増しています 。
働く期間を延ばして年金を増やすか、それとも早めに受け取って手元の資金を厚くするか。画一的な老後のモデルがなくなりつつある今、自身のライフプランと照らし合わせ、戦略的に受給時期を決める人が増えています。
年間50万円もの地域差が生じている年金受給額。自身の住む地域や働き方が、将来の年金にどう反映されるのか、一度「ねんきん定期便」などでシミュレーションしてみるのもいいかもしれません。
[参考資料]
厚生労働省『令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』