義実家への帰省シーズン、手土産選びに頭を悩ませる方は多いはず。相場や好みをリサーチして選んだ品でも、親戚が集まる場ではふとした瞬間に「格差」を感じ、肩身の狭い思いをすることがあるかもしれません。しかしその差を生むのは、単なる経済力の違いだけとは限りません。ある女性のケースを見ていきます。
みなさんのお口に合うかしら…「年収2,500万円・義兄夫婦」が持ち込んだ手土産に、「結婚6ヵ月・32歳妻」が悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

帰省の手土産、相場はどれくらい?

初めての帰省では、由美さんのように「何を持っていくか」「いくら位が適切か」と悩む人も多いのではないでしょうか。株式会社ぐるなびが2025年6月に公表した『帰省の手土産に関する調査結果』によると、手土産の購入予定金額で最も多かったのは「1,000~2,000円未満」(38.3%)、次いで「2,000円~3,000円未満」(37.3%)でした。由美さんが用意した3,000円程度のお菓子は、一般的な相場から見ても決して恥ずかしいものではなく、十分な配慮がなされた金額といえます。

 

しかし、今回の事例で差がついたのは「制度の活用」でした。事例に出てきた「ふるさと納税」は、寄附金額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限あり)。

 

総務省『ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)』によると、令和6年度(2024年度)のふるさと納税の受入額は、約1兆2,728億円(前年度比13.9%増)で、過去最高を更新しました。

 

高所得者である義兄夫婦の場合、控除の上限額(限度額)も高くなるため、実質2,000円の自己負担で、数万円クラスの高級食材を選ぶことが可能です。玲子さんのように、帰省のタイミングに合わせて実家へ返礼品を送るという活用法は、経済的な負担を抑えつつ、特別感を演出できる賢い方法のひとつといえるでしょう。

 

「お金があるから高いものが買える」だけでなく、「制度を知っているから賢く使える」――この差が、残酷な差を生んでしまったといえるかもしれません。

 

[参考資料]

株式会社ぐるなび『帰省の手土産に関する調査結果』

総務省『ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)』

 

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