年を取ってくると、若いころと同じように食べすぎたり、運動不足だったりすれば、内臓脂肪がたまっていくのは自然の摂理です。しかし、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」の担当医である尾形哲氏は「あきらめることはありません!」と断言します。同氏の著書『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)より、ぽっこりお腹対策と、内臓脂肪を減らす食べ方を紹介します。
エストロゲンが減ると内臓脂肪が増える
女性が40代半ばごろからお腹がぽっこりしてくるのは、女性ホルモンの「エストロゲン」が急激に減少するためです。
エストロゲンは性ホルモンとしての働きだけでなく、“ コレステロールを下げる作用” や中性脂肪の消費を促して“ 内臓脂肪の蓄積を防ぐ作用” を発揮して、女性の健康をサポートしています。
そのため、更年期に入ってエストロゲンの分泌が減ると、内臓脂肪が増えて、お腹がぽっこりするのです。
内臓脂肪が蓄積しているかどうかの目安は腹囲で判断できます。女性の場合90㎝以上が、内臓脂肪肥満の指標になります。
さらに、中性脂肪が増加すれば影響を受けるのが「肝臓」です。肝臓にも脂肪がたまりやすくなるので、女性の場合、40歳を過ぎると脂肪肝が急増するのです。
若いころと同じように食べすぎたり、運動不足だったりすれば、更年期以降は内臓脂肪がたまっていくのは自然の摂理。
でも、あきらめることはありません!
本書で紹介している「肝臓から脂肪が落ちる食べ方」は、「内臓脂肪を減らす食べ方」でもあります。エストロゲンのサポートが減るぶん、多少の努力は必要ですが、ちゃんとウエストは復活しますよ。
「ファイトエストロゲン」でお腹まわりの脂肪を撃退
エストロゲンの低下による影響を緩やかにするために、エストロゲンに似た構造の成分を食事から摂取するのも手。植物のなかにこうした成分を含むものがあり、「ファイトエストロゲン」と呼ばれます。大豆のイソフラボンは代表例。そのほか、ブロッコリーや亜麻仁油にもファイトエストロゲンが含まれるので、こうした食品を積極的にとって、内臓脂肪対策をしましょう。
エイジングケアに有効なビタミンEをプラス
エストロゲンには、肌や頭皮のコラーゲンやヒアルロン酸などの生成を促して肌のハリや髪のコシを保つ働きもあります。そのため、エストロゲンが減少すると肌や髪のトラブルも起こりやすくなります。
そこで、エイジングケアのために積極的に摂取するといいのが、「ビタミンE」です。
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、肌荒れの予防や改善、アンチエイジングに役立ちます。抗炎症作用や抗酸化作用があり、脂肪肝による炎症を抑える効果も認められています。
ビタミンE は、アーモンド、落花生、ぎんなん、くるみなどの種実類や大豆、アボカドなどに豊富に含まれます。ビタミンE は脂溶性の栄養素なので、油と一緒にとると吸収率が上がります。ナッツ類やアボカドはもともと脂質が多いので、ビタミンE を吸収しやすい食材です。ビタミンE が豊富な食品をとって、肝臓も肌もまとめて若返りを目指しましょう!



